東京科学大学 2025年度
理系数学 第4問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 全学院
- 分野
- 数列、三角関数
- 解法
- 数学的帰納法、漸化式の変形、三角比の利用、和の計算、誘導利用
- 難易度
- 7 / 10 計算量 5 / 10 目安 20分
問題
数列 {an} を
{a1=a2=1,an+2=an+1+an(n=1,2,3,…)
により定め,数列 {bn} を tanbn=an1 により定める。ただし,0<bn<2π であるものとする。
(1) n≧2 に対して,an+1an−1−an2 を求めよ。
(2) m≧1 (m は整数) に対して,a2mtan(b2m+1+b2m+2) を求めよ。
(3) 無限級数 m=0∑∞b2m+1 を求めよ。
出典:東京科学大学 2025年度 前期 理系 第4問
方針
(1)はカッシーニ型の恒等式を帰納法で示す。(2)は加法定理で tan(b2m+1+b2m+2) を書き,(1)から分母を整理して tanb2m に一致させる。(3)は 0<b2m+1+b2m+2<π/2 を確認したうえで,(2)から b2m=b2m+1+b2m+2 を得て,b2m+1=b2m−b2m+2 の望ましい形で望遠和にする。
解答
(1)
cn=an+1an−1−an2(n≧2) とおく。n=2 のとき c2=a3a1−a22=2⋅1−1=1 である。また cn+1=an+2an−an+12=(an+1+an)an−an+12 であり,cn+1=anan+1+an2−an+12=−{an+1(an−1)−an2}=−cn である。ただし an+1=an+an−1 を用いた。したがって an+1an−1−an2=(−1)n である。
(2)
加法定理より
tan(b2m+1+b2m+2)=1−a2m+1a2m+21a2m+11+a2m+21=a2m+1a2m+2−1a2m+1+a2m+2.
分子は a2m+3 である。一方,(1)を用いると a2m+1a2m−1−a2m2=1 であり,これと漸化式から a2m+1a2m+2−1=a2ma2m+3 が従う。実際,両辺の差は a2m+1a2m+2−1−a2ma2m+3=a2m+1a2m−1−a2m2−1=0 である。よって tan(b2m+1+b2m+2)=a2ma2m+3a2m+3=a2m1 となり,a2mtan(b2m+1+b2m+2)=1 である。
(3)
(2)より tan(b2m+1+b2m+2)=tanb2m である。ここで an≧1 だから 0<bn≦π/4 であり,特に 0<b2m+1+b2m+2<π/2 である。したがって b2m=b2m+1+b2m+2(m≧1) が成り立つ。ゆえに b2m+1=b2m−b2m+2(m≧1) である。 an は限りなく大きくなるので,tanbn=1/an より bn→0 である。したがって ∑m=0Nb2m+1=b1+∑m=1N(b2m−b2m+2)=b1+b2−b2N+2 である。b1=b2=π/4 であり,N→∞ とすると b2N+2→0 だから ∑m=0∞b2m+1=2π である。