東京科学大学 2025年度
理系数学 第1問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 全学院
- 分野
- 微分、積分、指数・対数、関数
- 解法
- 部分積分、逆関数の利用、置換積分、計算整理
- 難易度
- 6 / 10 計算量 6 / 10 目安 20分
問題
(1) 関数 f(x) を x≧0 に対して f(x)=xlog(1+x) と定める。不定積分 ∫xlog(1+x)dx を求めよ。
(2) y=f(x) (x≧0) の逆関数を y=g(x) (x≧0) とする。また a,b を g(a)=1, g(b)=2 なる実数とする。このとき定積分 I=∫abg(x)dx の値を求めよ。
(3) 関数 P(x) を x≧0 に対して P(x)=∫0x1+f(t)dt と定める。このとき y=P(x) について,定義域を x≧0 とする逆関数 y=Q(x) が微分可能であることは証明なしに認めてよい。関数 R(x) を x≧0 に対して R(x)=∫0P(x)Q′(v)1dv と定めるとき,R(x) を求めよ。
出典:東京科学大学 2025年度 前期 理系 第1問
方針
(1)は部分積分を用い,残る有理式 x2/(1+x) を割り算で処理する。(2)は逆関数の面積公式を,高校数学の範囲で長方形から元の関数の下の面積を引く形として用いる。端点は a=f(1),b=f(2) である。(3)は Q=P−1 から Q′(P(u))P′(u)=1 を使い,v=P(u) と置換して R(x)=∫0x(P′(u))2du に直す。
解答
(1)
部分積分により ∫xlog(1+x)dx=2x2log(1+x)−21∫1+xx2dx である。ここで 1+xx2=x−1+1+x1 だから,
∫xlog(1+x)dx=2x2log(1+x)−21(2x2−x+log(1+x))+C.
したがって ∫xlog(1+x)dx=2x2−1log(1+x)−4x2+2x+C である。
(2)
f(1)=log2, f(2)=2log3 であるから,a=log2, b=2log3 である。逆関数のグラフの面積を考えると,∫abg(x)dx=2b−a−∫12f(t)dt である。(1)で得た原始関数を F(t)=2t2−1log(1+t)−4t2+2t とおくと,F(2)=23log3, F(1)=41 である。ゆえに ∫12f(t)dt=23log3−41. したがって I=4log3−log2−(23log3−41)=25log3−log2+41 である。
(3)
P′(x)=1+f(x) である。また Q(P(u))=u だから,両辺を u で微分して Q′(P(u))P′(u)=1 を得る。したがって v=P(u) と置換すると,v=0 は u=0,v=P(x) は u=x に対応し,
R(x)=∫0xQ′(P(u))1P′(u)du=∫0x(P′(u))2du=∫0x{1+f(u)}du
である。よって R(x)=x+∫0xulog(1+u)du=x+F(x)−F(0). F(0)=0 だから R(x)=23x−4x2+2x2−1log(1+x) である。