東京工業大学 2024年度
理系数学 第4問
- 試験区分
- 前期日程
- 対象
- 全学院
- 分野
- 確率、数列
- 解法
- 状態分類、確率漸化式、独立性の利用、極限計算
- 難易度
- 7 / 10 計算量 5 / 10 目安 20分
問題
n を正の整数とし,C1,…,Cn を n 枚の硬貨とする。各 k=1,…,n に対し,硬貨 Ck を投げて表が出る確率を pk,裏が出る確率を 1−pk とする。この n 枚の硬貨を同時に投げ,表が出た硬貨の枚数が奇数であれば成功,というゲームを考える。
(1) pk=31 (k=1,…,n) のとき,このゲームで成功する確率 Xn を求めよ。
(2) pk=2(k+1)1 (k=1,…,n) のとき,このゲームで成功する確率 Yn を求めよ。
(3) n=3m(m は正の整数)で,k=1,…,3m に対して
pk=⎩⎨⎧3m13m2m1(k=1,…,m),(k=m+1,…,2m),(k=2m+1,…,3m)
とする。このゲームで成功する確率を Z3m とするとき,m→∞limZ3m を求めよ。
出典:東京工業大学 2024年度 前期日程 理系 第4問
方針
最初の k 枚で表の枚数が偶数になる確率を Ek,奇数になる確率を Ok と置き,差 Dk=Ek−Ok の漸化式を作る。Dk=(1−2pk)Dk−1,Ek+Ok=1 から On=(1−Dn)/2 となる。この一般式を各小問に代入し,(2) は約分,(3) は (1+c/m)m の極限で処理する。
解答
(1)
最初の k 枚を投げたとき,表の枚数が偶数である確率を Ek,奇数である確率を Ok とする。また Dk=Ek−Ok とおく。k 枚目を加えると,偶奇が変わるのは表が出たときであるから Ek=(1−pk)Ek−1+pkOk−1,Ok=pkEk−1+(1−pk)Ok−1 である。したがって Dk=(1−2pk)Dk−1 である。D0=1 だから Dn=(1−2p1)(1−2p2)⋯(1−2pn) である。また En+On=1 より,成功確率は On=21−Dn である。
(1) では pk=31 なので,1−2pk=31 である。よって Xn=21−(31)n である。
(2)
pk=2(k+1)1 だから 1−2pk=1−k+11=k+1k である。したがって Dn=21⋅32⋅43⋯n+1n=n+11 となる。ゆえに Yn=21−n+11=2(n+1)n である。
(3)
一般式より
D3m=(1−3m2)m(1−3m4)m(1−m2)m
である。よって Z3m=21−D3m である。ここで m→∞ とすると,
(1−3m2)m→e−2/3,(1−3m4)m→e−4/3,(1−m2)m→e−2
であるから D3m→e−2/3e−4/3e−2=e−4 である。したがって limm→∞Z3m=21−e−4 である。