問題
a は 0<a≦4π を満たす実数とし,f(x)=34sin(4π+ax)cos(4π−ax) とする。
(1) 等式 ∫01f(x)dx=1 を満たす a がただ1つ存在することを示せ。
(2) 0≦b<c≦1 を満たす実数 b,c について,f(b)(c−b)≦∫bcf(x)dx≦f(c)(c−b) が成り立つことを示せ。
(3) n 個の数 1,2,…,n を出目とするルーレットを k 回まわす。各 i=1,2,…,n について i が出た回数を Sn,k,i とし,limk→∞kSn,k,i=∫(i−1)/ni/nf(x)dx が成り立つとする。このとき (1) の等式が成り立つことを示せ。
(4) (3) の試行において出た数の平均値を An,k とし,An=limk→∞An,k とする。(3) の極限関係が成り立つとき,limn→∞nAn を a を用いて表せ。
出典:東京工業大学 2022年度 前期日程 理系 第5問
解答
(1)
積和公式より f(x)=34⋅21+sin2ax=32(1+sin2ax) である。したがって ∫01f(x)dx=32(1+2a1−cos2a) であり,∫01f(x)dx=1 は 1−cos2a=a と同値である。 g(a)=1−cos2a−a とおく。g′(a)=2sin2a−1,g′′(a)=4cos2a である。0<a≦4π では g′′(a)>0 であるから,g′(a) は単調増加し,g′(a)=0 となるのは a=12π だけである。よって g は 0<a<12π で減少し,12π<a≦4π で増加する。
また g(0)=0 と見れば,0<a<12π では g(a)<0 であり,特に g(12π)<0 である。一方,g(4π)=1−4π>0 である。したがって増加区間 12π<a≦4π に解がただ1つあり,0<a≦4π 全体でも g(a)=0 を満たす a はただ1つである。
(2)
f′(x)=34acos2ax である。0<a≦4π,0≦x≦1 より 0≦2ax≦2π だから f′(x)≧0 である。したがって f は [0,1] で単調増加する。よって b≦x≦c では f(b)≦f(x)≦f(c) であり,これを b から c まで積分して f(b)(c−b)≦∫bcf(x)dx≦f(c)(c−b) を得る。
(3)
固定した n について,Sn,k,1+Sn,k,2+⋯+Sn,k,n=k である。両辺を k で割り,k→∞ とすると,有限個の和なので 1=∑i=1n∫(i−1)/ni/nf(x)dx=∫01f(x)dx である。したがって (1) の等式が成り立つ。
(4)
平均値の定義より An,k=k1∑i=1niSn,k,i であるから,k→∞ とすると An=∑i=1ni∫(i−1)/ni/nf(x)dx である。したがって nAn=∑i=1nni∫(i−1)/ni/nf(x)dx であり,これは ∫01xf(x)dx の右端を用いた和に近づく。実際,(2)より f は連続で有界なので,区間幅を 1/n とするリーマン和として limn→∞nAn=∫01xf(x)dx である。
よって ∫01xf(x)dx=32∫01xdx+32∫01xsin2axdx である。部分積分により ∫01xsin2axdx=−2acos2a+4a2sin2a だから,求める極限は 31−3acos2a+6a2sin2a である。