東京工業大学 2021年度
理系数学 第3問
- 試験区分
- 前期日程
- 対象
- 全学院
- 分野
- 場合の数、整数、論証・証明
- 解法
- 式変形、不等式評価、約数・倍数、場合分け
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 22分
問題
以下の問いに答えよ。
(1) 正の整数 n に対して,二項係数に関する次の等式を示せ。 n2nCn=(n+1)2nCn−1 また,これを用いて 2nCn は n+1 の倍数であることを示せ。
(2) 正の整数 n に対して,an=n+12nCn とおく。このとき,n≧4 ならば an>n+2 であることを示せ。
(3) an が素数となる正の整数 n をすべて求めよ。
出典:東京工業大学 2021年度 前期日程 理系 第3問
方針
(1)は階乗表示で等式を示し,n と n+1 が互いに素であることから割り切りを導く。(2)は an+1/an を計算し,a4=14 を起点に不等式を帰納的に示す。(3)は n=1,2,3,4 を直接調べ,n≧5 では隣接する an,an−1 の関係を既約分数に直して,an が2つの 1 より大きい整数の積になることを示す。
解答
(1)
階乗表示を用いると,n2nCn=n⋅n!n!(2n)!=(n−1)!n!(2n)! であり,また
(n+1)2nCn−1=(n+1)⋅(n−1)!(n+1)!(2n)!=(n−1)!n!(2n)!
である。よって n2nCn=(n+1)2nCn−1 が成り立つ。
この等式の右辺は n+1 の倍数であるから,n2nCn は n+1 の倍数である。n と n+1 は互いに素なので,2nCn は n+1 の倍数である。
(2)
定義より a4=58C4=14 であり,14>6 である。また
anan+1=n+22n+2Cn+1⋅2nCnn+1=n+22(2n+1)
である。n≧4 で an>n+2 が成り立つと仮定すると,an+1=ann+22(2n+1)>(n+2)n+22(2n+1)=4n+2>n+3 である。したがって,数学的帰納法により n≧4 ならば an>n+2 である。
(3)
まず a1=1, a2=2, a3=5, a4=14 であるから,この範囲では n=2,3 のときだけ an は素数である。
以下,n≧5 とする。(2)で用いた関係から an=an−1n+12(2n−1) である。d を 2(2n−1) と n+1 の最大公約数とする。2(2n−1)−4(n+1)=−6 だから,d は 6 の約数である。上の分数を約分すると,an は整数であるから,dn+1 は an−1 の約数である。よって an=d2(2n−1)⋅(n+1)/dan−1 と,2つの整数の積に表せる。ここで n≧5 なので,(2)より an−1>n+1 である。したがって (n+1)/dan−1>1 であり,また d2(2n−1)≧62(2n−1)>1 である。ゆえに an は素数ではない。以上より,求める正の整数は n=2,3 である。