東京工業大学 2020年度
理系数学 第2問
- 試験区分
- 前期日程
- 対象
- 全学院
- 分野
- 複素数平面、図形と方程式、三角関数
- 解法
- 複素数の極形式、回転・拡大、必要十分条件、図形的解釈、計算整理
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 18分
問題
複素数平面上の異なる3点 A,B,C を複素数 α,β,γ で表す。ここで A,B,C は同一直線上にないと仮定する。
(1) △ABC が正三角形となる必要十分条件は,
α2+β2+γ2=αβ+βγ+γα
であることを示せ。
(2) △ABC が正三角形のとき,△ABC の外接円上の点 P を任意にとる。このとき,AP2+BP2+CP2 および AP4+BP4+CP4 を外接円の半径 R を用いて表せ。ただし2点 X,Y に対し,XY とは線分 XY の長さを表す。
出典:東京工業大学 2020年度 前期日程 理系 第2問
方針
(1)は平行移動して A を原点に移し,u=β−α,v=γ−α とおく。条件は u2−uv+v2=0 となり,u/v が cos(π/3)±isin(π/3) であることと同値になる。(2)は外接円の中心を原点とし,頂点を中心角 2π/3 ずつ離して置く。余弦定理で各距離の二乗を表し,3つの余弦の和と余弦二乗の和を計算する。
解答
(1)
u=β−α,v=γ−α とおく。3点は異なり同一直線上にないので,u=0,v=0 であり,u/v は実数ではない。与えられた等式は,β=α+u,γ=α+v を代入して整理すると u2−uv+v2=0 となる。
△ABC が正三角形であるとする。このとき AB=AC で,AC から AB への回転角は π/3 または −π/3 である。したがって u/v=cos(π/3)±isin(π/3)=21±23i であり,これは t2−t+1=0 の解である。よって u2−uv+v2=0 が成り立つ。
逆に u2−uv+v2=0 とする。v=0 で割ると (u/v)2−u/v+1=0 であるから,u/v=21±23i である。したがって ∣u∣=∣v∣ であり,2つのベクトルのなす角は π/3 である。よって AB=AC かつ ∠BAC=π/3 となり,△ABC は正三角形である。
(2)
外接円の中心を O とする。図形全体を回転しても距離は変わらないので,A,B,C は中心角 2π/3 ずつ離れた点としてよい。点 P に対応する中心角を θ とすると,余弦定理より
AP2=2R2(1−cosθ),BP2=2R2(1−cos(θ−32π)),CP2=2R2(1−cos(θ−34π))
である。3つの余弦の和は0であるから,AP2+BP2+CP2=6R2 である。
また,u1=θ,u2=θ−32π,u3=θ−34π とおくと,cosu1+cosu2+cosu3=0 であり,さらに cos2u=(1+cos2u)/2 を用いて cos2u1+cos2u2+cos2u3=3/2 である。したがって
AP4+BP4+CP4=4R4{3−2(cosu1+cosu2+cosu3)+(cos2u1+cos2u2+cos2u3)}=18R4
である。