問題
を空間内の相異なる 枚の平面とする。 によって空間が 個の空間領域に分割されるとする。例えば,空間の座標を とするとき,
である。
(1) 各 に対して のとりうる値のうち最も大きいものを求めよ。
(2) 各 に対して のとりうる値のうち2番目に大きいものを求めよ。ただし とする。
(3) 各 に対して のとりうる値のうち3番目に大きいものを求めよ。ただし とする。
方針
平面を1枚ずつ追加し,新しい平面上に現れる直線配置がいくつの領域を作るかを数える。最大値は各段階で直線が一般の位置にある場合である。2番目以降は最大値からの欠損で整理し,3平面が共通点を持たない場合は1だけ欠けること,4平面では欠損2が実現できないこと,5平面以上では独立な2つの欠損1を作れることを示す。
解答
(1)
平面を1枚ずつ加える。すでに 枚の平面があり,新たに1枚の平面 を加えるとする。 上には,既存の 枚の平面との交線として高々 本の直線が現れる。この 本が互いに平行でなく,3本が1点で交わらないとき, は個の領域に分けられ,この数だけ空間領域が増える。
したがって最大値は
である。この値は,どの2平面も平行でなく,どの3平面も1点で交わり,どの4平面も1点で交わらないように選べば実現できる。
(2)
最大値からの減少を考える。一般の位置から外れると,ある段階で新しい平面上の直線配置が最大の場合より少なくとも1だけ少ない領域しか作らないので,最大でない値は高々である。
では,2平面を平行にすれば領域数は である。 では,たとえば の3平面を含め,残りの平面を十分一般に選ぶ。この3平面はどの2枚も交わるが3枚の共通点を持たないので,最大の場合からちょうど1だけ少ない。残りの平面は追加時に最大個数だけ領域を増やすように選べる。よって2番目に大きい値はである。
(3)
まず のときは である。問題文の例のように,2平面を平行にして3枚目をそれらと交わらせれば6領域となる。最大値8,2番目の値7の次であるから,3番目に大きい値は である。
次に を考える。 であり,2番目の値は14である。13が実現しないことを示す。4枚のうち1枚を最後に加えると考え,最初の3枚による領域数を ,最後の平面上にできる直線配置の領域数を とする。3平面による領域数は,最大の場合の8,3平面が2枚ずつ交わるが共通点を持たない場合の7,2平面が平行であるか3平面が1直線を共有する場合の6,3平面がすべて平行である場合の4のいずれかである。
なら13にするには が必要だが,平面上の3本以下の直線が作る領域数は のいずれかであり,5にはならない。 のとき,最初の3平面の2枚ずつの交線は互いに平行である。最後の平面がその方向に平行でなければ,最後の平面上の3直線は三角形を作って となり,平行であれば3直線は互いに平行または一部一致するので である。したがって は起こらない。 のとき,13にするには が必要である。しかし2平面が平行なら最後の平面上にも平行な交線が現れ,3平面が1直線を共有するなら最後の平面上の3直線は1点で交わるか互いに平行になるので,いずれも である。 なら合計は高々11である。よって13は実現しない。
一方, の4平面では, によって空間は3つの層に分かれ,各層は によって4つに分かれるので,領域数は である。よって の3番目に大きい値は12である。
最後に とする。5平面
を考える。このうち と は,それぞれどの2枚も交わるが3枚の共通点を持たない。平面をこの順に加えると増える領域数は であり,合計は である。これは より2だけ小さい。 のときは,残りの平面を既存の交線に平行にならず,既存の交点を通らないように十分一般に加えれば,各段階で最大個数だけ領域を増やせる。したがって が実現する。2番目の値 の次に大きい整数値であるから, の3番目に大きい値は である。
以上より,3番目に大きい値は
である。