問題
空間内の一辺の長さが1の立方体
を とする。点 は頂点 から出発して の辺上を1秒ごとに長さ1だけ進んで隣の頂点に移動する。 が 軸, 軸, 軸に平行に進む確率はそれぞれ ,, である。ただし
である。 が 秒後に頂点 ,,, にある確率をそれぞれ ,,, とする。
(1) を ,,, と ,, を用いて表せ。
(2) を ,,, を用いて表せ。
(3) を ,,, を用いて表せ。
方針
1回の移動は選んだ座標の を入れ替える操作である。2秒後に に戻るには,2回の移動で反転した座標の組を調べれば (1) が出る。(2) は 軸方向に動いた回数の偶奇で符号が決まることを使い,二項定理で偶数回と奇数回の確率差を求める。(3) は 各方向に動いた回数がすべて偶数である確率であり,偶奇を取り出す因子 を展開して求める。
解答
(1)
秒後に にいて 秒後にも にいるには,続く2回で同じ軸方向に進めばよい。その確率は である。
秒後に にいるとき,2秒で に移るには 軸方向と 軸方向に1回ずつ進めばよく,その確率は である。同様に から へは確率 , から へは確率 である。したがってである。
(2)
が奇数のとき, は のいずれにもいないので である。
が偶数のときを考える。このとき到達可能な頂点は,座標の和が偶数である に限られる。 秒間に 軸方向へ進んだ回数を とする。頂点 では 座標は ,頂点 では 座標は であるから, は, が偶数である確率から が奇数である確率を引いたものに等しい。よって二項定理より
である。以上を合わせるとである。
(3)
秒間に 軸方向へ進んだ回数をそれぞれ とする。 秒後に にいることは, がすべて偶数であることと同値である。
整数 に対して は, が偶数のとき ,奇数のとき である。したがって は の平均に等しい。これを展開する。たとえば の平均は,1回ごとに 軸方向なら符号が変わり,それ以外なら符号が変わらないので である。同様に,
となる。よって
である。これは同値に
と表せる。