東京工業大学 2017年度
理系数学 第2問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 全学院
- 分野
- 三角関数、積分、微分
- 解法
- 微積分の対称性、置換積分、微分による最大最小、絶対値の処理、定積分評価
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 18分
問題
実数 x の関数
f(x)=∫xx+2π1+sin2t∣sint∣dt
の最大値と最小値を求めよ。
出典:東京工業大学 2017年度 前期 理系 第2問
方針
被積分関数 g(t)=∣sint∣/(1+sin2t) は周期 π を持ち,さらに g(π−t)=g(t) である。したがって f も周期 π を持ち,長さ π/2 の補区間との関係 f(x+π/2)=I−f(x) が使える。まず 0≦x≦π/2 で f′(x)=g(x+π/2)−g(x) の符号を調べ,最大値を求める。次に1周期全体の積分 I を計算し,補区間の関係から最小値を得る。
解答
g(t)=∣sint∣/(1+sin2t) とおく。g(t+π)=g(t) であるから,f は周期 π を持つ。また
I=∫0πg(t)dt
とおくと,長さ π/2 の2つの区間が1周期を分けるのでf(x+π/2)=I−f(x)である。
まず 0≦x≦π/2 で考える。この範囲では,区間 [x,x+π/2] は [0,π] に含まれるので絶対値を外せる。したがって
f′(x)=1+cos2xcosx−1+sin2xsinx=(1+sin2x)(1+cos2x)(cosx−sinx)(1−sinxcosx)
である。ここで 0≦sinxcosx≦1/2 だから,1−sinxcosx>0 である。よって f′(x) の符号は cosx−sinx の符号と同じであり,f は 0≦x<π/4 で増加し,π/4<x≦π/2 で減少する。したがってこの範囲での最大値は f(π/4) である。
置換 u=cost により
f(π/4)=∫π/43π/41+sin2tsintdt=∫−2/22/22−u2du=21log3
である。
次に I を求める。同じ置換で
I=∫0π1+sin2tsintdt=∫−112−u2du=2log(1+2)
である。
0≦x≦π/2 で f(x) の最小値は端点での値 I/2 であり,補区間の関係から f(x+π/2) の最小値は I−f(π/4) である。したがって全体での最大値は21log3であり,最小値は
2log(1+2)−21log3=21log3(1+2)2
である。