東京工業大学 1999年度
理系数学 第5問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 全類
- 分野
- 複素数平面、数列、ベクトル
- 解法
- 回転・拡大、漸化式の変形、和の計算、複素数の極形式、実部虚部比較
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 18分
問題
複素平面上の点列 An (n≧0) が複素数列 an+ibn(an,bn は実数,i は虚数単位)を表すとする。極限値 n→∞liman=a∞,n→∞limbn=b∞ がともに存在するとき,複素数 a∞+ib∞ を表す点 A∞ を An の極限点ということにする。このとき次の問いに答えよ。
(1) 複素平面上の点列 Pn (n≧0) を次のように定める。P0 は 0 を表す点とし,P1 は 1+i を表す点とする。以下 n≧2 に対しては,ベクトル Pn−2Pn−1 を反時計まわりに π/3 回転し,長さを 2/3 倍したベクトルが Pn−1Pn となるように Pn を定める。Pn の極限点 P∞ が表す複素数を求めよ。
(2) 点列 Qn (n≧0) は次のように定める。Q0 は 0 を表す点とし,Q1 は z=x+iy を表す点とする。以下 n≧2 に対しては,ベクトル Qn−2Qn−1 を反時計まわりに π/6 回転し,長さを 1/2 倍したベクトルが Qn−1Qn となるように Qn を定める。Qn の極限点 Q∞ と (1) の P∞ が一致するとき z を求めよ。
出典:東京工業大学 1999年度 前期 理系 第5問
方針
点そのものではなく,連続する点の差を複素数で表す。回転と拡大は一定の複素数を掛ける操作なので,差の列は等比数列になる。極限点は差の無限和で求められ,(2) は Q∞=P∞ から初項 z を逆算する。
解答
(1)
Pn を表す複素数を pn とし,wn=pn−pn−1 (n≧1) とおく。すると w1=1+i であり,回転と拡大の条件から
wn=32(cos3π+isin3π)wn−1=31+3iwn−1
である。
よって
p∞=n=1∑∞wn=1−31+3i1+i=2−3i3(1+i)
である。分母を実数化すると
p∞=73(1+i)(2+3i)=73(2−3)+73(2+3)i
である。
(2)
Qn を表す複素数を qn とし,un=qn−qn−1 とおく。すると u1=z であり,
un=21(cos6π+isin6π)un−1=43+iun−1
である。したがってq∞=1−43+izである。これが p∞ と一致するためにはz=p∞(1−43+i)である。上で求めた p∞ を代入するとz=283{(2−3)+(2+3)i}(4−3−i)である。整理してz=283(13−53)+289(1+3)iを得る。