東京工業大学 1992年度
理系数学 第4問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 全類
- 分野
- 関数、数列
- 解法
- 場合分け、帰納的定義の利用、計算整理、誘導利用
- 難易度
- 4 / 10 計算量 4 / 10 目安 12分
問題
変数 0≦x<1 の関数 f(x) を次のように定義する。
f(x)=⎩⎨⎧2x2x−1(0≦x<21),(21≦x<1).
さらに f1(x)=f(x) とおき,fn(x) を fn(x)=f(fn−1(x)) (n=2,3,4,…) と定義する。
(1) f3(x) のグラフを描き,f3(x) を式で表せ。
(2) k と m を 1≦k≦2m−1 を満たす自然数とし,p=2mk とおく。極限値 n→∞limnf1(p)+⋯+fn(p) を求めよ。
出典:東京工業大学 1992年度 前期 理系 第4問
方針
f(x) は 2x から整数部分を除いて [0,1) に戻す写像である。これを3回繰り返すと,8x から整数部分を除いた値になるため,[j/8,(j+1)/8) ごとに 8x−j と表せる。(2) では一般に fn(x) が 2nx の整数部分を除いた値であることを用い,p=k/2m では n≧m 以後すべて 0 になることから平均の極限を求める。
解答
(1)
0≦x<1 に対し,f(x) は 2x が 1 以上になったとき 1 を引いて [0,1) に戻す関数である。したがって3回繰り返すと,8x から整数部分を除いた値になる。よって
f3(x)=⎩⎨⎧8x8x−18x−28x−38x−48x−58x−68x−7(0≦x<81),(81≦x<82),(82≦x<83),(83≦x<84),(84≦x<85),(85≦x<86),(86≦x<87),(87≦x<1)
である。グラフは各区間 [j/8,(j+1)/8) (j=0,1,…,7) 上で (j/8,0) から傾き 8 で右上がりに進み,右端の直前で 1 に近づく8本の線分からなる。
(2)
一般に,2nx=q+r (q は整数,0≦r<1) と表したとき fn(x)=r である。これは n=1 では定義そのものであり,n−1 で成り立つとき,さらに f を作用させると2倍して整数部分を除くので n でも成り立つ。
いま p=k/2m であるから,n≧m なら2np=k2n−mは整数である。したがって n≧m では fn(p)=0 である。
よって任意の N≧m に対して
Nf1(p)+⋯+fN(p)=Nf1(p)+⋯+fm−1(p)
であり,分子は N によらない定数である。したがって求める極限値は 0 である。