問題
2つの条件
(i) または
(ii)
を満たす任意の整数 , から得られる実数 全体の集合を とする.1より大きい の元のうち最小のものを とする.
(1) を求めよ.
(2) 整数 と の元 に対し, は の元であることを示せ.
(3) の任意の元 は適当な整数 によって, と書かれることを示せ.
方針
とその共役 の積が であることを使う。まず の範囲に の元がないことを,整数 の候補を絞って示す。次に の整数べきがすべて に入ること,さらに任意の を隣り合うべきの間に挟み,最小性から商が1になることを示す。
解答
(1)
は かつ を満たすから の元である。よって である。
いま が の元で, と仮定する。共役を とおくと, であるから である。したがって
より,整数 は のいずれかである。
のとき となり不可能である。 のとき より で,対応する正の値は または であり, に反する。 のときも より で,正の値は だけである。よって となる の元は存在しない。
以上より,1より大きい の元のうち最小のものはである。
(2)
まず について, である。したがって整数 に対して, となる整数 が存在する。実際, では を掛ける帰納法で従い, では を掛ける帰納法で従う。
また であるから, の共役との積は である。ゆえに は正で,その係数は整数,かつノルムは である。
を の元, とするとであり,係数は整数である。さらに共役との積は ,また , より である。したがって は の元である。
(3)
を の任意の元とする。 であるから,整数 を大きくすれば となり,整数 を小さくすれば となる。よって,ある整数 についてが成り立つ。
(2)
より は の元であり,上の不等式から である。もし なら, は1より大きく より小さい の元となり, の最小性に反する。したがって であり, である。