東京工業大学 1983年度
理系数学 第3問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 全類
- 分野
- ベクトル、数列、三角関数、複素数平面
- 解法
- 漸化式の変形、和の計算、回転・拡大、複素数の極形式、極限計算
- 難易度
- 6 / 10 計算量 6 / 10 目安 25分
問題
A=cos32πsin32π−sin32πcos32π とし,ベクトル un=(xnyn) (n=1,2,…) を次のように定義する.
u1=(00),u2=(10),un=un−1+21A(un−1−un−2)(n≧3)
(1) xn,yn を求めよ.
(2) limn→∞xn,limn→∞yn を求めよ.
出典:東京工業大学 1983年度 前期 理系 第3問
方針
差 dn=un−un−1 を導入すると,dn=21Adn−1 となる。これは長さを半分にし,向きを 2π/3 だけ回転する操作である。複素数 zn=xn+yni に移して等比数列の和を計算し,最後に実数部分と虚数部分を読み取る。
解答
(1)
dn=un−un−1 (n≧2) とおく。与えられた漸化式から d2=(10),dn=21Adn−1 (n≧3) である。行列 A は角 2π/3 の回転を表すので,dn は長さ 2−(n−2),偏角 2(n−2)π/3 のベクトルである。
そこで zn=xn+yni とおくと,n≧1 について
zn=j=0∑n−2{21(cos32π+isin32π)}j
と表される。ただし n=1 のときは空和を0とする。
q=21(cos32π+isin32π)=4−1+3i とおくと,1−q=45−3i であり,zn=1−q1−qn−1=75+3i(1−qn−1) である。ここで θn=32(n−1)π とおけば,qn−1=2−(n−1)(cosθn+isinθn) であるから,
xnyn=71{5−2n−11(5cosθn−3sinθn)},=71{3−2n−11(5sinθn+3cosθn)}.
これが求める xn,yn である。
(2)
cosθn,sinθn はいずれも絶対値が1以下であり,2−(n−1)→0 である。したがってlimn→∞xn=75,limn→∞yn=73である。