東京工業大学 1983年度
理系数学 第1問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 全類
- 分野
- 整数、数列、論証・証明
- 解法
- 不等式評価、約数・倍数、場合分け、極限計算
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 15分
問題
正の有理数 x を既約分数で表したとき,その分母の平方を f(x) とする(自然数 n に対しては f(n)=1 とする).
(1) 相異なる正の有理数 x,y に対して,不等式 ∣x−y∣2≦f(x)+f(y) が成り立つことを証明せよ.
(2) 自然数 n に対して xn=3n+42 とするとき,極限値 limn→∞{f(xn)+f(xn+1)}∣xn−xn+1∣ を求めよ.
出典:東京工業大学 1983年度 前期 理系 第1問
方針
(1) は x=a/b,y=c/d を既約分数で表し,∣ad−bc∣ が正の整数であることから ∣x−y∣≧1/(bd) を得る。最後は 2bd≦b2+d2 で評価する。(2) は 3n+4 の偶奇で既約化後の分母を分け,隣り合う2項のうち一方だけが分母を2で割れることを使って極限を計算する。
解答
(1)
正の有理数 x,y を既約分数で x=a/b,y=c/d と表す。ただし a,b,c,d は正の整数で,a と b,c と d はそれぞれ互いに素である。このとき f(x)=b2,f(y)=d2 である。
x=y より ad−bc=0 であり,∣ad−bc∣ は正の整数であるから ∣ad−bc∣≧1 である。したがって ∣x−y∣=bd∣ad−bc∣≧bd1 であり,∣x−y∣2≦2bd となる。一方,(b−d)2≧0 より 2bd≦b2+d2 である。
以上から ∣x−y∣2≦b2+d2=f(x)+f(y) が成り立つ。
(2)
xn=3n+42 である。3n+4 は n が偶数のとき偶数,n が奇数のとき奇数であるから,既約分数にしたときの分母は
⎩⎨⎧23n+43n+4(n が偶数),(n が奇数)
である。
また xn+1=3n+72 については,3n+7 が n が偶数のとき奇数,n が奇数のとき偶数である。よって
⎩⎨⎧f(xn)+f(xn+1)=(23n+4)2+(3n+7)2f(xn)+f(xn+1)=(3n+4)2+(23n+7)2(n が偶数),(n が奇数)
である。いずれの場合も,最高次の項は 445n2 である。
一方,∣xn−xn+1∣=(3n+4)(3n+7)6 であるから,これは 3n22 と同じ極限比をもつ。したがって求める極限値は445⋅32=215である。