問題
,を変数とする.
(1) を自然数とする.次の等式が成り立つように定数,を定めよ.
(2) すべての自然数について,次の等式が成り立つことを証明せよ.
出典:大阪大学 2006年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第3問
方針
(1)は両辺に共通分母を掛け, の係数と定数項を比較して を決める。(2)は(1)を利用した数学的帰納法で示す。 の式と, を に置き換えた式の差を作ると,左辺が になり,右辺の係数はパスカルの関係で にまとまる。別解として,両辺に共通分母を掛けて多項式として比較する方法も自然である。
解答
(1)
両辺に を掛けると である。右辺を整理すると であるから,恒等式として成り立つためには であればよい。 は自然数なので であり, である。
(2)
数学的帰納法で示す。 のとき,求める等式は であり,成り立つ。
ある自然数 について
が成り立つと仮定する。この式で を に置き換えると
である。
(1)の結果を に適用すると
である。両辺に を掛けると
ここに帰納法の仮定と,その 版を代入する。右辺は
である。第2の和で添字を から にずらすと
となる。パスカルの関係 より,これは である。したがって でも成り立つ。よって数学的帰納法により,すべての自然数 について
が成り立つ。
別解。示したい等式の両辺に を掛ける。右辺は となる。これは の高々 次式である。 を代入すると,和のうち 以外の項は因子 を含んで0になる。残る項は
である。高々 次式が 個の値 で定数 と一致するので,恒等的に に等しい。これで同じ等式が示される。