大阪大学 2004年度
理系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 複素数平面、三角関数、論証・証明
- 解法
- 実部虚部比較、不等式評価、誘導利用
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 12〜16分
問題
nを自然数とする.
(1) n個の複素数zk (k=1,2,⋯,n)が0≦argzk≦2πをみたすならば,不等式∣z1∣2+∣z2∣2+⋯+∣zn∣2≦∣z1+z2+⋯+zn∣2が成り立つことを示せ.
(2) n個の実数θk (k=1,2,⋯,n)が0≦θk≦2πかつcosθ1+cosθ2+⋯+cosθn=1をみたすならば,不等式n−1≦sinθ1+sinθ2+⋯+sinθnが成り立つことを示せ.
出典:大阪大学 2004年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問
方針
(1)では zk=xk+yki と置く。偏角が第1象限内にあるので xk,yk≧0 であり、和の絶対値の2乗を展開すると交差項 xjxk+yjyk がすべて非負になる。(2)では zk=cosθk+isinθk と置くと ∣zk∣=1 で、実部の和が条件により1になる。(1)を適用して n≦∣∑zk∣2=1+(∑sinθk)2 を得る。正弦の和は非負なので平方根を取れる。
解答
(1)
zk=xk+yki とおく。0≦argzk≦π/2 であるから、zk は第1象限またはその境界上にあり、xk≧0,yk≧0 である。
このとき
∣z1+z2+⋯+zn∣2=(k=1∑nxk)2+(k=1∑nyk)2
である。右辺を展開すると
∣z1+⋯+zn∣2=k=1∑n(xk2+yk2)+21≦j<k≦n∑(xjxk+yjyk)=k=1∑n∣zk∣2+21≦j<k≦n∑(xjxk+yjyk).
ここで xj,xk,yj,yk はすべて0以上なので、交差項はすべて0以上である。したがって ∣z1∣2+∣z2∣2+⋯+∣zn∣2≦∣z1+z2+⋯+zn∣2 である。
(2)
zk=cosθk+isinθk とおく。0≦θk≦π/2 だから、0≦argzk≦π/2 であり、(1)を適用できる。また ∣zk∣=1 である。よって(1)より n=∑k=1n∣zk∣2≦∣∑k=1nzk∣2 である。
一方、条件より ∑k=1ncosθk=1 であるから、∑k=1nzk=1+i∑k=1nsinθk である。したがって
k=1∑nzk2=1+(k=1∑nsinθk)2
である。ゆえに n≦1+(∑k=1nsinθk)2 となる。 0≦θk≦π/2 なので、∑sinθk≧0 である。よって平方根を取って n−1≦∑k=1nsinθk すなわち n−1≦sinθ1+sinθ2+⋯+sinθn が成り立つ。