大阪大学 1988年度
理系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 数列、方程式・不等式
- 解法
- 式変形、帰納的定義の利用、恒等式比較
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 14分
問題
nは正の整数とする.n次式xnを2次式f(x)=x2−ax+bで割った余りをrnx+snとおく.
(1) すべての正の整数m,nについて次の式が成り立つことを示せ.
rm+n=rmsn+rnsm+armrn,sm+n=smsn−brmrn
(2) (a−x)nをf(x)で割った余りをtnx+unとおくとき,次の式が成り立つことを示せ.
tn=−rn,un=arn+sn
出典:大阪大学 1988年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問
方針
f(x) で割った余りだけを扱うため、計算の場では x2≡ax−b とみなす。(1)は xm と xn の余りを掛け、出てきた x2 を一次式に戻して係数を比較する。(2)は f(a−x)=f(x) という対称性を使い、既知の合同式に x↦a−x を代入して余りを読み取る。
解答
(1)
f(x)=x2−ax+b で割った余りを考えるときは、差が f(x) の倍数であることを x2≡ax−b(modf(x)) と表せる。定義より xm≡rmx+sm,xn≡rnx+sn(modf(x)) である。両式を掛けると xm+n≡(rmx+sm)(rnx+sn)(modf(x)) である。右辺を展開して x2≡ax−b を用いると
(rmx+sm)(rnx+sn)=rmrnx2+(rmsn+rnsm)x+smsn≡rmrn(ax−b)+(rmsn+rnsm)x+smsn=(rmsn+rnsm+armrn)x+(smsn−brmrn).
一方、xm+n を f(x) で割った余りは定義により rm+nx+sm+n である。2次式で割った余りは一次以下に一意に定まるから、係数を比較して
rm+n=rmsn+rnsm+armrn,sm+n=smsn−brmrn
を得る。
(2)
xn の割り算を明示すると、ある整式 Q(x) を用いて xn=Q(x)f(x)+rnx+sn と書ける。この等式で x を a−x に置き換えると (a−x)n=Q(a−x)f(a−x)+rn(a−x)+sn である。ここで f(a−x)=(a−x)2−a(a−x)+b=x2−ax+b=f(x) だから、右辺の第1項は f(x) の倍数である。したがって (a−x)n を f(x) で割った余りは rn(a−x)+sn=−rnx+(arn+sn) である。余りの一意性より tn=−rn,un=arn+sn が成り立つ。