大阪大学 1985年度
理系数学 第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)、ベクトル、数列
- 解法
- ベクトル成分計算、漸化式の変形、極限計算
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 16〜22分
問題
座標平面上で,点P(x,y)を点P′(x′,y′)へうつす1次変換fが
(x′y′)=(3−3−24)(xy)
で与えられている.点P1(x1,y1)がx1=y1を満たすとし,Pn+1=f(Pn) n=1,2,⋯⋯によってP2,P3,⋯⋯を定め,Pnの座標を(xn,yn)とする.
(1) ベクトルP1P2は,点P1の位置に無関係な,原点を通る定直線に平行であることを示せ.
(2) ベクトルP1PnをP1P2によって表せ.
(3) どのynも0とならないとき,数列{ynxn}は収束することを示し,その極限値を求めよ.
出典:大阪大学 1985年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第2問
方針
固有方向 (1,1)、(2,−3) の倍率が1、6であることを使い、点列を両方向へ分解して差ベクトルと比の極限を求める。
解答
{行列を
A=(3−3−24)
とおく。
(1)
P1 の位置ベクトルを
と書くと、P2 の位置ベクトルは Ap1 である。したがって
P1P2=(A−I)p1=(2−3−23)(x1y1)=(x1−y1)(2−3)
である。仮定より x1=y1 なので、このベクトルは0ではない。よって P1P2 は、点 P1 の位置によらず、常に
(2−3)
に平行である。これは原点を通る直線 3x+2y=0 の方向である。
(2)
次の2つの計算が成り立つ。
A(11)=(11),A(2−3)=6(2−3)
である。 (1,1) と (2,−3) は平行でないので、P1 の位置ベクトルは一意に
(x1y1)=α(11)+β(2−3)
と表せる。このとき、変換を n−1 回くり返すと
(xnyn)=α(11)+6n−1β(2−3)
である。
したがって
P1Pn=(xnyn)−(x1y1)=(6n−1−1)β(2−3)
である。一方、n=2 とすれば
である。ゆえに
である。
(3)
x1=y1 であるから、(1)の式より P1P2=0 である。したがって上の分解では β=0 である。
(2)
より
ynxn=α/(6n−1β)−3α/(6n−1β)+2.
ここで β=0 かつ α/(6n−1β)→0 なので,数列は −2/3 に収束する。}