名古屋大学 2009年度
理系数学 第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、三角関数、関数
- 解法
- 定積分評価、場合分け、グラフの概形
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 20分
問題
関数f(x)とg(θ)をf(x)=∫−1x1−t2dt (−1≦x≦1),g(θ)=f(cosθ)−f(sinθ) (0≦θ≦2π)で定める.
(1) 導関数g′(θ)を求めよ.
(2) g(θ)を求めよ.
(3) y=g(θ)のグラフをかけ.
出典:名古屋大学 2009年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第2問
方針
微積分の基本定理からf′(x)=1−x2を使い,合成関数としてg(θ)を微分する。1−cos2θ=∣sinθ∣,1−sin2θ=∣cosθ∣となるため,g′は絶対値を含む。0,π/2,π,3π/2,2πでsinθとcosθの符号が変わるので4区間に分け,g(0)=π/4と連続性で積分定数を決める。グラフは各区間の式,端点の値,極値を明記して描く。
解答
(1)
微積分の基本定理より f′(x)=1−x2 である。したがって
g′(θ)=f′(cosθ)(−sinθ)−f′(sinθ)cosθ=−sinθ1−cos2θ−cosθ1−sin2θ
である。ここで
1−cos2θ=∣sinθ∣,1−sin2θ=∣cosθ∣
だから g′(θ)=−sinθ∣sinθ∣−cosθ∣cosθ∣ である。
(2)
まず g(0)=f(1)−f(0) である。f(1)は半径1の上半円の面積でπ/2,f(0)はその左半分の面積でπ/4だから g(0)=4π である。 0≦θ≦π/2ではsinθ≧0,cosθ≧0なので g′(θ)=−sin2θ−cos2θ=−1 である。よって g(θ)=4π−θ である。 π/2≦θ≦πではsinθ≧0,cosθ≦0なので g′(θ)=−sin2θ+cos2θ=cos2θ である。g(π/2)=−π/4より
g(θ)=−4π+∫π/2θcos2udu=−4π+21sin2θ
である。 π≦θ≦3π/2ではsinθ≦0,cosθ≦0なので g′(θ)=sin2θ+cos2θ=1 である。g(π)=−π/4より g(θ)=θ−45π である。 3π/2≦θ≦2πではsinθ≦0,cosθ≧0なので g′(θ)=sin2θ−cos2θ=−cos2θ である。g(3π/2)=π/4より g(θ)=4π−21sin2θ である。
したがって
g(θ)=⎩⎨⎧4π−θ−4π+21sin2θθ−45π4π−21sin2θ(0≦θ≦2π),(2π≦θ≦π),(π≦θ≦23π),(23π≦θ≦2π)
である。
(3)
グラフを描くための主要な点は
(0,4π),(2π,−4π),(π,−4π),(23π,4π),(2π,4π)
である。 0≦θ≦π/2では傾き−1の直線,π≦θ≦3π/2では傾き1の直線である。π/2≦θ≦πでは g(θ)=−4π+21sin2θ であり,θ=3π/4で −4π−21 を最小値としてとる。3π/2≦θ≦2πでは g(θ)=4π−21sin2θ であり,θ=7π/4で 4π+21 を最大値としてとる。これらの点と各区間の式を滑らかにつなげばよい。