問題
数直線上の原点から出発して,硬貨を投げながら駒を整数点上動かすゲームを考える.毎回硬貨を投げて表が出れば,裏が出れば,それぞれ駒を進めるとする.ただし,点または点に着いたときは以後そこにとどまるものとする.
(1) 回目に硬貨を投げたあと,駒が点1にある確率を求めよ.
(2) 回目に硬貨を投げたあと,駒がある点の期待値を求めよ.
方針
吸収点 を除く一時的な状態 だけを追う。点1にいるのは奇数回後だけで、点1から2回進むと、吸収されずに再び点1へ戻る確率が であるため、 となる。期待値は各状態で次の位置の平均が現在位置に等しいことを確認すれば、 となり、初期値0から常に0である。
解答
(1)
駒は または に着くとそこにとどまる。点1にいるためには、まだ吸収されておらず、 の間を動いている必要がある。
まず、原点0から出発するので、偶数回後には点0または点2、あるいは吸収点にあり、点1にいることはない。したがって である。
奇数回後を考える。 とおく。1回後に点1にいる確率は である。点1にいる状態から2回硬貨を投げた後、再び点1にいるためには または となればよい。それぞれの確率は なので、2回後に再び点1へ戻る確率は である。
したがって、点1にいる奇数時刻ごとに確率は 倍される。よって である。
以上より
である。
(2)
各位置で、次の1回後の位置の平均を調べる。吸収点 では次も同じ点にとどまるので、平均は現在位置に等しい。
また、一時的な状態については がそれぞれ確率 で起こるので、次の位置の平均は である。
同様に、点1では次に0または2へ進むので平均は であり、点2では次に1または3へ進むので平均は である。
つまり、どの状態にいても「次の位置の平均」は現在位置そのものに等しい。したがって である。初めは なので である。
別解。(2)は確率分布を直接追ってもよい。 の各点の確率を用いて期待値を作り、1回の遷移での増減を足すと、一時状態 では と の寄与が平均で打ち消し、吸収点では増減が0であるため、期待値は保存される。