問題
を1からまでの自然数の集合,をからへの写像とし,
とする.次の(1),(2)を証明せよ.
(1) の中から異なる2つの,を選び,とすることができる.
(2) がすべて互いに異なるならば,である.
出典:名古屋大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第4問(b)
方針
列 は常に の元を値にとる。(1)は 個の値を 個の場所へ入れる鳩の巣原理である。(2)では,はじめの 個がすべて異なるなら,それらは 全体をちょうど一度ずつ含む。値1が早い位置で現れると,次の項が と一致してしまうので,値1が現れる位置は最後の 番目しかない。
解答
(1)
は から への対応なので,どの自然数 についても である。したがって は, 個の元からなる集合 の中に入る 個の値である。 個の値がすべて異なることはできないから,異なる2つの番号 を選んで とすることができる。
(2)
がすべて互いに異なるとする。これらはすべて の元であり,個数も 個であるから, の各元がちょうど一度ずつ現れる。したがって,この中のどこかに値 が現れる。
そこで となる番号 を考える。もし なら, である。ここで と はどちらも の範囲にある異なる番号である。これは がすべて互いに異なることに反する。
したがって となる番号は でなければならない。よって である。
別解。(2)を循環の言葉で見ると, から始めて を繰り返した列は,はじめの 項で のすべての値を一度ずつ通る。もし途中で に戻れば,その直後から同じ並びが繰り返され,はじめの 項の中に同じ値が2回現れる。したがって, に戻るのは 項目でなければならない。