名古屋大学 1993年度
理系数学 第3問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、微分
- 解法
- 置換、微分による最大最小、極限計算
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 18〜22分
問題
nを自然数とし,0<a<1として,Sn(a)=∫01∣xn+1−ax∣dxとおく.
(1) 各nに対して,Sn(a)を最小にするaの値anを求めよ.
(2) (1)で求めたanに対してn→∞limnSn(an)を求めよ.
出典:名古屋大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第3問
方針
xn+1−ax=x(xn−a) なので,符号が変わる点は c=a1/n である。絶対値を [0,c] と [c,1] に分け,境界では中身が0になることを使って a で微分する。微分後は c2=1/2 が最小条件となり,an=2−n/2 が出る。最小値はこの c を代入して簡単に整理し,最後に nSn(an) の極限を取る。
解答
(1)
0<a<1 なので c=a1/n とおくと 0<c<1 である。また xn+1−ax=x(xn−a) であり,0<x<c では xn<a,c<x<1 では xn>a である。したがって Sn(a)=∫0c(ax−xn+1)dx+∫c1(xn+1−ax)dx である。
この式を a で微分する。境界 x=c では xn+1−ax=0 なので,境界の移動による項は出ない。よって Sn′(a)=∫0cxdx−∫c1xdx である。計算すると Sn′(a)=2c2−21−c2=c2−21 となる。c=a1/n は a とともに増加するから,Sn′(a) は c2<1/2 で負,c2>1/2 で正である。したがって最小となるのは c=21 のときである。
よって an=cn=(21)n=2−n/2 である。
(2)
c=1/2,an=cn として最小値を計算する。上の分割式から Sn(an)=∫0c(cnx−xn+1)dx+∫c1(xn+1−cnx)dx である。積分すると
Sn(an)=2cn+2−n+2cn+2+n+21−cn+2−2cn(1−c2)
である。ここで c2=1/2 なので,第1項と最後の項は打ち消し合い,Sn(an)=n+21−2cn+2 となる。さらに cn+2=cnc2=2−n/2/2 だから Sn(an)=n+21−2−n/2 である。したがって nSn(an)=n+2n(1−2−n/2) であり,limn→∞nSn(an)=1 である。
別解。a=cn として,はじめから Sn を c の関数と見ることもできる。上と同じ計算で Sn=n+21−2cn+2+cn(c2−21) である。これを c で微分すると dcdSn=ncn−1(c2−21) となる。0<c<1 なので,やはり c=1/2 で最小となり,同じ an と極限が得られる。