名古屋大学 1986年度
理系数学 第4問(a)
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 微分、積分、関数
- 解法
- 定積分評価、微分による最大最小、置換
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 22〜30分
問題
f(x)はx≧0で連続な増加関数で,f(0)=0,かつx>0で微分可能とする.グラフy=f(x)上の点P(x,y) (x>0)からx軸,y軸に下ろした垂線の足をそれぞれQ,Rとする.y=f(x)と線分PQおよびx軸とで囲まれた図形の面積をF(x),y=f(x)と線分PRおよびy軸とで囲まれた図形の面積をG(x)とする.すべてのx>0で,G(x)=(x+1)F(x)が成立するようなf(x)を求めよ.
出典:名古屋大学 1986年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第4問(a)
方針
二つの面積を F(x)=∫0xf(t)dt,G(x)=xf(x)−F(x) と表す。条件から xf(x)=(x+2)F(x) を得るが,ここで F′(x)=f(x) なので xF′(x)=(x+2)F(x) という F だけの関係になる。F/(x2ex) の微分が 0 であることから F=Cx2ex,したがって f=F′=Cx(x+2)ex を得る。最後に増加性と逆確認で定数の範囲を決める。
解答
x>0 に対して F(x)=∫0xf(t)dt である。また,0≦t≦x の範囲で曲線の下の面積が F(x) なので,長方形 0≦t≦x,0≦y≦f(x) の面積から F(x) を引けば G(x) になる。したがって G(x)=xf(x)−F(x) である。
条件 G(x)=(x+1)F(x) より xf(x)−F(x)=(x+1)F(x) であるから xf(x)=(x+2)F(x) を得る。ここで F′(x)=f(x) なので xF′(x)=(x+2)F(x) である。
まず F が恒等的に 0 の場合は,f(x)=F′(x)=0 であり,これは条件を満たす。以下,F が正になる場合を考える。上の式は xF′(x)−(x+2)F(x)=0 である。ここで H(x)=x2exF(x) とおくと,x>0 で H′(x)=x3exxF′(x)−(x+2)F(x)=0 である。したがって H(x) は定数であり,ある定数 C を用いて F(x)=Cx2ex と書ける。
よって f(x)=F′(x)=C(2x+x2)ex=Cx(x+2)ex である。f(0)=0 はこの式で満たされる。また x>0 で f′(x)=C(x2+4x+2)ex であり,x2+4x+2>0 だから,f が x≧0 で増加関数であるためには C≧0 が必要十分である。
逆に C≧0 として f(x)=Cx(x+2)ex とおくと,連続性,f(0)=0,増加性を満たす。また F(x)=∫0xCt(t+2)etdt=Cx2ex であるから xf(x)=Cx2(x+2)ex=(x+2)F(x) が成り立つ。したがって G(x)=xf(x)−F(x)=(x+1)F(x) も成り立つ。
以上より,求める関数は f(x)=Cx(x+2)ex(C≧0) である。なお「増加関数」を狭く,常に値が厳しく増える意味で用いるなら C>0 とすればよい。