問題
行列A=41(5335),B=(20021)について以下の問いに答えよ。
(1) a,b,c,dを実数とする。行列T=(acbd)がAT=TBかつad−bc=1を満たすとき,b,c,dをそれぞれaを用いて表せ。
(2) xy平面内の点Pn(αn,βn)を
(αnβn)=A(αn−1βn−1),n=1,2,3,⋯
で定める。ただし,α0=1,β0=0とする。このときαnおよびβnを求めよ。また,点Pnを通り,y=xで与えられる直線lと直交する直線mの方程式を求めよ。
(3) 直線lと直線mの交点をQnとし,PnとQnの距離をdnとする。このときn→∞limdnを求めよ。
出典:九州大学 2014年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第1問
解答
(1)
T=(acbd)
とする。まず
AT=41(5335)(acbd)=41(5a+3c3a+5c5b+3d3b+5d)
である。一方
TB=(acbd)(2001/2)=(2a2cb/2d/2)
である。 AT=TB より成分を比較すると 5a+3c=8a,5b+3d=2b, 3a+5c=8c,3b+5d=2d である。これらから c=a,d=−b を得る。さらに ad−bc=1 に c=a,d=−b を代入すると a(−b)−ba=−2ab=1 である。したがって a=0 であり、b=−2a1,c=a,d=2a1 である。よって b=−2a1,c=a,d=2a1 である。
(2)
(αnβn)=41(5335)(αn−1βn−1)
より
αn=45αn−1+3βn−1,βn=43αn−1+5βn−1
である。和と差を取ると αn+βn=2(αn−1+βn−1) であり、αn−βn=21(αn−1−βn−1) である。初期値 α0=1,β0=0 から α0+β0=1,α0−β0=1 なので αn+βn=2n,αn−βn=2−n である。したがって
αn=22n+2−n,βn=22n−2−n
である。
直線 l:y=x と直交する直線は傾き −1 である。点 Pn(αn,βn) を通るので y−βn=−(x−αn) すなわち x+y=αn+βn=2n である。よって m:x+y=2n である。
(3)
直線 l:y=x と m:x+y=2n の交点 Qn は Qn=(2n−1,2n−1) である。したがって
QnPn=(22n+2−n−2n−1,22n−2−n−2n−1)=(2−n−1,−2−n−1)
である。よって dn=(2−n−1)2+(−2−n−1)2=22−n である。したがって n→∞limdn=0 である。