問題
原点を出発し,数直線上を動く点がある。このとき,次の試行Tを考える。
(試行T) は,1枚の硬貨を投げて表が出たら正の向きに1だけ移動し,裏が出たら負の向きに1だけ移動する。移動後に,が原点にあるとき,あるいは原点からの距離が3,6,9の位置にあるときには,白玉を1個もらう。
この試行Tを10回繰り返すとき,以下の問いに答えよ。
(1) 10回目の試行で初めて白玉をもらう確率を求めよ。
(2) 2回目の試行で初めて白玉をもらい,かつ,その後は白玉をもらわない確率を求めよ。
(3) もらう白玉の総数が1個である確率を求めよ。
(4) もらう白玉の総数が2個である確率を求めよ。
方針
10回の移動列を直接列挙する代わりに、時刻ごとの位置と白玉の個数を状態として数える。白玉をもらう位置は、移動後の位置が のときである。(1)は白玉を一度ももらわないまま9回進んだ状態から、10回目に白玉位置へ入る通り数を数える。(2)から(4)は、状態 の個数を更新して、10回後の白玉数ごとの通り数を求める。
解答
白玉をもらう位置の集合を とする。10回の硬貨投げはすべて同様に確からしく、全体は 通りである。
(1)
白玉をまだもらっていない移動列だけを追う。1回目以後、白玉を避けながら進むには、位置は
と交互に限られる。したがって9回目終了時に白玉を一度ももらっていない位置は の2通りである。10回目に初めて白玉をもらうには、そこから原点へ移動するしかない。よって有利な移動列は2通りであり、確率は である。
(2)
2回目で初めて白玉をもらうには、1回目に または に行き、2回目に原点へ戻る必要がある。その後8回は白玉をもらってはならない。
原点から出発して白玉を8回避ける動きは、上と同じ理由で常に2通りである。ただし2回目に原点へ来た直後から見れば、3回目以降の8回で白玉を避ける列は、正負それぞれに交互に動く2通りである。2回目までの戻り方も2通りなので、有利な列は 通りである。よって確率は である。
(3),(4)
以後は、各時刻で ごとに通り数を更新する。1歩ごとに位置を または へ動かし、移動後の位置が に入っていれば白玉の個数を1増やす。
この更新を10回行うと、白玉の総数ごとの移動列の数は
となる。したがって、白玉の総数が1個である確率は であり、白玉の総数が2個である確率は である。