九州大学 2012年度
後期・理系数学 後期 第1問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 三角関数、積分、微分
- 解法
- 不等式評価、体積計算、定積分評価
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 25分
問題
以下の問いに答えよ。
(1) 0≦x≦2πのとき,sinx−x≦0が成り立つことを示せ。
(2) 0≦x≦2πのとき,sinx−x+ax3≧0が成り立つような正の数aを1つ定めよ。
(3) 0<∣x∣≦2πのとき,
が成り立つことを示せ。ただし,aは(2)で定めた値とする。
(4) 曲線y=sinxと直線y=xおよびx=2πで囲まれた図形をx軸のまわりに1回転してできる回転体の体積を求めよ。
出典:九州大学 2012年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第1問
方針
(1) は x−sinx の単調性で示す。(2) は具体的に a=1/6 と取り、h(x)=sinx−x+x3/6 の二階微分が (1) の非負関数になることを使う。(3) は (1)(2) から 0≦x−sinx≦x3/6 を得て、x>0 で割ったあと、sinx/x が偶関数であることにより負の x へ広げる。(4) は 0≦x≦π/2 で x≧sinx だから、外半径 x、内半径 sinx のワッシャーとして積分する。
解答
(1)
g(x)=x−sinx とおく。すると g′(x)=1−cosx である。0≦x≦π/2 では cosx≦1 だから g′(x)≧0 である。また g(0)=0 である。したがって g(x)≧0、すなわち sinx−x≦0 が成り立つ。
(2)
たとえば a=61 と定める。このとき h(x)=sinx−x+6x3 とおくと、h′(x)=cosx−1+2x2,h′′(x)=−sinx+x である。(1)より x−sinx≧0 だから h′′(x)≧0 である。また h′(0)=0 なので、h′(x) は 0≦x≦π/2 で0以上である。さらに h(0)=0 だから、h(x)≧0 である。よって sinx−x+6x3≧0 が成り立つ。したがって条件をみたす正の数として a=61 を取ればよい。
(3)
まず 0<x≦π/2 とする。(1)(2)より sinx−x≦0,sinx−x+6x3≧0 であるから 0≦x−sinx≦6x3 である。これを正の x で割ると 0≦1−xsinx≦6x2 となる。したがって xsinx−1≦6x2 である。
次に −π/2≦x<0 のときを考える。関数 sinx/x は偶関数であるから、y=−x>0 とおけば
xsinx−1=ysiny−1≦6y2=6x2
である。よって、(2)で定めた a=1/6 に対して xsinx−1≦ax2 が成り立つ。
(4)
(1)より、0≦x≦π/2 では x≧sinx である。したがって、曲線 y=sinx、直線 y=x、直線 x=π/2 で囲まれる図形を x 軸のまわりに回転すると、断面は外半径 x、内半径 sinx のワッシャーになる。
よって体積 V は V=π∫0π/2(x2−sin2x)dx である。ここで
∫0π/2x2dx=[3x3]0π/2=24π3
であり、sin2x=21−cos2x より
∫0π/2sin2xdx=[2x−4sin2x]0π/2=4π
である。したがって
V=π(24π3−4π)=24π2(π2−6)
である。