九州大学 2011年度
後期・理系数学 後期 第1問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 指数・対数、数列
- 解法
- 漸化式の変形、極限計算
- 難易度
- 4 / 10 計算量 3 / 10 目安 12分
問題
a>0,b>0,0<α<1,0<β<1として,以下の問いに答えよ。
(1) 初項a1=aと漸化式
an+1=αan(n=1,2,3,⋯)
で定義された数列{an}がある。このとき,
xn=log10an(n=1,2,3,⋯)
により定まる数列{xn}の一般項をn,α,aを用いて表せ。
(2) 初項b1=bと漸化式
bn+1=βbn2(n=1,2,3,⋯)
で定義された数列{bn}がある。このとき,
yn=log10bn(n=1,2,3,⋯)
により定まる数列{yn}の一般項をn,β,bを用いて表せ。
(3) a=b=1のとき,
n→∞limyn+1xn+1=0
を証明せよ。
出典:九州大学 2011年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第1問
方針
(1)は等比数列をそのまま対数に移す。(2)は bn+1=βbn2 の両辺の常用対数を取り、yn+1=2yn+log10β という一次漸化式に直す。定数項を含む等比和を丁寧に計算する。(3)では a=b=1 によって初期対数が0になり、分子は n に比例、分母は 2n に比例して増えることを示す。
解答
(1)
漸化式 an+1=αan より、数列 {an} は初項 a、公比 α の等比数列である。したがって an=aαn−1 である。常用対数を取ると
xn=log10an=log10(aαn−1)=log10a+(n−1)log10α
である。
(2)
yn=log10bn とおく。漸化式 bn+1=βbn2 の両辺の常用対数を取ると yn+1=log10β+2log10bn=2yn+log10β である。また y1=log10b である。
この漸化式を繰り返すと
yn=2n−1y1+(1+2+⋯+2n−2)log10β=2n−1log10b+(2n−1−1)log10β
である。よって yn=2n−1log10b+(2n−1−1)log10β である。
(3)
a=b=1 のとき、log10a=log10b=0 である。(1)(2)の結果より xn+1=nlog10α であり、yn+1=(2n−1)log10β である。0<α<1、0<β<1 より、log10α と log10β はどちらも負であり、特に log10β=0 である。
したがって
yn+1xn+1=2n−1n⋅log10βlog10α
である。ここで 2n は n より速く増大し、例えば n/2n→0 であるから limn→∞2n−1n=0 である。よって定数倍しても極限は0であり、n→∞limyn+1xn+1=0 が示された。