九州大学 2010年度
後期・理系数学 後期 第3問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)、数列
- 解法
- 漸化式の変形、和の計算、計算整理
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 15分
問題
点(xnyn)が,行列を用いて次のように与えられている。
(xnyn)=3194131(xn−1yn−1),(n=1,2,3,⋯)
以下の問いに答えよ。
(1) (x0y0)=(32)のときの(xnyn)をPnとする。点Pnの座標を求めよ。
(2) (x0y0)=(3−2)のときの(xnyn)をQnとする。点Qnの座標を求めよ。
(3) (x0y0)=(k0)(ただしkは正の実数)のときの(xnyn)をRnとする。点Rnの座標を求めよ。
(4) 点Rnと点Rn−1の間の距離を∣RnRn−1∣とする。n=1∑∞∣RnRn−1∣を求めよ。
出典:九州大学 2010年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第3問
方針
与えられた行列が,二つのベクトル(3,2)と(3,−2)をどのように変えるかを直接計算する。(3,2)はそのまま残り,(3,−2)は毎回−1/3倍されるため,初期値(k,0)をこの二つの和に分解すれば一般項が出る。最後は隣り合うRnの差を計算し,長さが等比数列になることを示して無限和を求める。
解答
(1)
与えられた行列をAとおく。直接計算すると
A(32)=(31⋅3+1⋅294⋅3+31⋅2)=(32)
である。したがって,初期値が(3,2)のときは点は動かず,Pn=(3,2) である。
(2)
同様に
A(3−2)=(31⋅3−294⋅3−32)=(−132)=−31(3−2)
である。つまり,この方向の成分は1回ごとに−1/3倍される。よって Qn=(−31)n(3,−2) である。
(3)
初期値(k,0)を(1)(2)の二つのベクトルで表すと
(k0)=6k(32)+6k(3−2)
である。第一の成分は何回操作しても変わらず,第二の成分はn回後に(−1/3)n倍されるので
Rn=6k(32)+6k(−31)n(3−2)=2k{1+(−31)n}3k{1−(−31)n}
である。したがって
Rn=(2k{1+(−31)n},3k{1−(−31)n})
である。
(4)
sn=(−31)nとおくと,(3)より
Rn−Rn−1=(2k(sn−sn−1),−3k(sn−sn−1))
である。また
sn−sn−1=(−31)n−1(−31−1)=−34(−31)n−1
だから ∣sn−sn−1∣=34(31)n−1 である。したがって
∣Rn−Rn−1∣=∣sn−sn−1∣k41+91=34(31)n−1k⋅613=92k13(31)n−1
である。よって求める和は
n=1∑∞∣Rn−Rn−1∣=92k13n=1∑∞(31)n−1=92k13⋅1−1/31=3k13
である。