九州大学 2010年度
後期・理系数学 後期 第2問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- ベクトル
- 解法
- ベクトル成分計算、内積の利用、範囲評価
- 難易度
- 6 / 10 計算量 6 / 10 目安 20分
問題
鋭角三角形ABCにおいて,a=CA,b=CBとする。以下の問いに答えよ。
(1) 線分ACを1:2に内分する点をP,線分BCを2:3に内分する点をQとする。ここで線分ACの長さを∣AC∣で表すとして,∣AC∣=12および∣BC∣=55とする。このとき,∣AQ∣>∣BP∣であることを示せ。
(2) nを正の整数,rを0<r<1をみたす実数とする。線分ACを1−r:rに内分する点をE,線分BCを1−rn:rnに内分する点をFとし,線分AFと線分BEの交点をRとする。CRをa,b,n,rを用いて表せ。
(3) (2)において,nを固定してr→1としたとき,交点Rは辺AB上のある点Sに近づく。このとき,∣AS∣:∣SB∣を求めよ。
出典:九州大学 2010年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第2問
方針
Cを基準にしてCA=a,CB=bを座標軸のように使う。(1)はAQ2−BP2を内積で比べると定数部分が消え,鋭角三角形の条件a⋅b>0が効く。(2)はE=ra,F=rnbと表し,Rを直線AF上と直線BE上の二通りで表して係数比較する。(3)は得た係数のr→1の極限を取り,辺AB上の内分比に直す。
解答
(1)
Cを原点のように見れば,A=a,B=b である。PはACを1:2に内分するのでAP:PC=1:2であり,P=32a である。また,QはBCを2:3に内分するのでBQ:QC=2:3であり,Q=53b である。
したがって
である。∣a∣=12,∣b∣=55を用いて二乗の差を計算すると
∣AQ∣2−∣BP∣2=53b−a2−32a−b2=(∣a∣2−56a⋅b+259∣b∣2)−(94∣a∣2−34a⋅b+∣b∣2)=(144−56a⋅b+45)−(64−34a⋅b+125)=152a⋅b
である。三角形ABCは鋭角三角形なので,特に∠ACBは鋭角であり,a⋅b=∣a∣∣b∣cos∠ACB>0 である。よって∣AQ∣2>∣BP∣2であり,長さは正だから ∣AQ∣>∣BP∣ である。
(2)
EはACを1−r:rに内分するから E=ra である。同様に,FはBCを1−rn:rnに内分するから F=rnb である。
Rは直線AF上にあるので,ある実数sを用いて R=(1−s)a+srnb と表せる。また,Rは直線BE上にもあるので,ある実数uを用いて R=(1−u)b+ura と表せる。係数を比較すると 1−s=ur,srn=1−u である。第一式からu=(1−s)/rであるから,第二式へ代入して srn=1−r1−s=rr−1+s を得る。したがって s(rn+1−1)=r−1,s=rn+1−1r−1 である。よって
CR=R=(1−s)a+srnb=rn+1−1r(rn−1)a+rn+1−1rn(r−1)b
である。
(3)
(2)の係数をそれぞれr→1で調べる。まず
rn+1−1r(rn−1)=r1+r+⋯+rn1+r+⋯+rn−1⟶n+1n
である。また
rn+1−1rn(r−1)=1+r+⋯+rnrn⟶n+11
である。したがって極限の点をSとすると CS=n+1na+n+11b である。
これは S=A+n+11(B−A) を意味するので,Sは辺AB上にあり AS:SB=1:n を満たす点である。