九州大学 2009年度
理系数学 第5問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 微分、指数・対数
- 解法
- 置換、微分による最大最小、計算整理
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 25分
問題
曲線y=ex上を動く点Pの時刻tにおける座標を(x(t),y(t))と表し,Pの速度ベクトルと加速度ベクトルをそれぞれv=(dtdx,dtdy)とα=(dt2d2x,dt2d2y)とする。すべての時刻tで∣v∣=1かつdtdx>0であるとして,次の問いに答えよ。
(1) Pが点(s,es)を通過する時刻における速度ベクトルvをsを用いて表せ。
(2) Pが点(s,es)を通過する時刻における加速度ベクトルαをsを用いて表せ。
(3) Pが曲線全体を動くとき,∣α∣の最大値を求めよ。
出典:九州大学 2009年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第5問
方針
曲線上にいるのでy=exを時刻で微分し,速度を(dx/dt)(1,ex)と表す。速さ1かつdx/dt>0からdx/dtを正の値として決定する。(2)は速度ベクトルをxの関数と見て微分し,さらにdx/dtを掛けて時刻微分に戻す。(3)は加速度の大きさをu=es>0で一変数関数にし,微分して最大値を求める。最大化ではu>0の端の挙動も見て,唯一の臨界点が最大であることを確認する。
解答
(1)
点Pは曲線y=ex上を動くので y(t)=ex(t) である。これをtで微分すると dtdy=exdtdx である。したがって速度ベクトルは
v=(dtdx,exdtdx)=dtdx(1,ex)
である。
速さが1であるから ∣v∣2=(dtdx)2(1+e2x)=1 である。またdx/dt>0より dtdx=1+e2x1 である。したがって v=1+e2x1(1,ex) である。Pが(s,es)を通過する時刻ではx=sなので v=1+e2s1(1,es) である。
(2)
速度ベクトルをxの関数として
v(x)=((1+e2x)−1/2, ex(1+e2x)−1/2)
と見る。時刻微分は dtd=dtdxdxd であり,dx/dt=(1+e2x)−1/2である。
第1成分について dxd(1+e2x)−1/2=−e2x(1+e2x)−3/2 だから,時刻微分すると
−e2x(1+e2x)−3/2⋅(1+e2x)−1/2=−(1+e2x)2e2x
である。
第2成分について
dxd{ex(1+e2x)−1/2}=ex(1+e2x)−1/2−exe2x(1+e2x)−3/2=ex(1+e2x)−3/2
である。これにdx/dt=(1+e2x)−1/2を掛けると (1+e2x)2ex である。よってx=sのとき
α=(−(1+e2s)2e2s,(1+e2s)2es)
である。
(3)
(2)より
∣α∣=(1+e2s)4e4s+(1+e2s)4e2s=(1+e2s)2es1+e2s=(1+e2s)3/2es
である。 u=esとおくとu>0であり,最大化すべき関数は F(u)=(1+u2)3/2u である。微分すると
F′(u)=(1+u2)−3/2−3u2(1+u2)−5/2=(1+u2)5/21−2u2
である。したがってF′(u)=0となるのは u=21 のときである。0<u<1/2では増加,u>1/2では減少するので,ここで最大となる。
最大値は
(1+1/2)3/21/2=21(32)3/2=332
である。