問題
2次の列ベクトル,,は大きさが1であり,かつとする。ただし,一般に2次の列ベクトルの大きさはで定義される。また,2次の正方行列が,,をみたすとする。このとき,次の問いに答えよ。
(1) を示せ。
(2) は (,は実数) の形にただ一通りに表せることを示せ。
(3) を示せ。
(4) 行列を求めよ。
方針
XとYが同一直線上にないことを示し,平面の基底として使う。(2)でと置けるので,Aを作用させるとになる。これをと比較し,係数比較からを得る。するとが従い,さらにからを得る。最後はなのでYの2候補を出し,Aの第1列・第2列を決める。
解答
(1)
もしであると仮定する。このときである。すると となるので,条件よりである。さらにである一方,だから となる。よってが従うが,これはおよびに反する。したがって である。
(2)
問題文よりであり,(1)よりである。XとYはいずれも大きさ1の2次元ベクトルである。もしXとYが同じ直線上にあれば,単位ベクトルであることからまたはしかない。しかしどちらも成り立たない。したがってXとYは平行でない。
2次元平面で平行でない2本のベクトルは基底になるので,任意の2次元ベクトルはXとYの一次結合としてただ一通りに表される。特にZについて,実数がただ一組存在して と表せる。
(3)
(2)により とおく。両辺にAを作用させると である。さらにを代入すると である。一方,条件よりである。XとYは平行でないので係数比較ができ, を得る。第2式よりであり,第1式に代入すると である。したがってである。よって であり,
が成り立つ。
(4)
(3)よりである。Zの大きさは1なので である。左辺を内積で展開すると である。したがって である。
ここでなので,とおくと である。またより だから である。よって
である。
行列Aの第1列はによりYである。さらにAはをに移す。これは,XからYへ,YからZへ,ZからXへ移す120度回転である。具体的に計算すると,のとき
である。またのとき
である。したがって求める行列は
である。
別解。(3)まででかつ3つのベクトルの大きさがすべて1であることが分かる。したがって3つの先端は原点を中心とする単位円上で,和が0になるように120度ずつ離れている。Xは正のx軸方向なので,YはXを反時計回りまたは時計回りに120度回転したベクトルである。Aはこの回転を1回行う行列になり,上の2つの行列が得られる。