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九州大学 2006年度
後期・理系数学 後期 第5問

問題

行列

について,以下の問いに答えよ.

(1) 方程式

以外の解をもつときのの値を2つ求めよ.

(2) (1)で求めたの2つの値を とするとき,

を満たし,逆行列をもつ行列を1つ求め,その逆行列を求めよ.

(3) を求めよ.

(4) でない列ベクトルとし,

とする.このとき,

を求めよ.ただし, と仮定する.

出典:九州大学 2006年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第5問

方針

(1)は零でない解を持つための消去条件から を求める。(2)ではそれぞれの に対応する列ベクトルを1つずつ選び,それを並べて を作る。(3)は から として計算する。(4)は初期ベクトルを2つの方向に分け,成長の速い の成分があるかどうかで極限を場合分けする。

解答

(1)

連立方程式は

である。 以外の解を持つためには,2式の係数が作る行列について であればよい。整理すると であり, である。よって である。

(2)

に対応する列を求める。 のとき より,例えば

を取れる。 のとき より,例えば

を取れる。したがって

とおけば

である。また の行列式は だから逆行列をもち,

である。

(3)

(2)より

であるから

である。計算すると

である。

(4)

任意の列ベクトルは

と一意に表せる。実際,

である。

このとき

である。 の場合,分子分母を で割ると

である。 の場合,初期ベクトルは の方向であり,すべての

となる。したがって である。 と同値であるから,求める極限は

である。問題文の仮定 は,この場合分けのどちらにも矛盾しない。