九州大学 2005年度
後期・理系数学 後期 第5問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)、三角関数
- 解法
- 式変形、回転・拡大、三角比の利用
- 難易度
- 5 / 10 計算量 5 / 10 目安 18分
問題
tとθを実数,J=(0−110),E=(1001),O=(0000)とする.ただし,0<θ<πとする.
(1) t(PJ+J)+P−E=Oを満たす行列Pを求めよ.
(2) t=tan2θのとき,θを用いて(1)のPを表せ.
(3) (2)のPに対して,P3=Eとなるθを求めよ.
出典:九州大学 2005年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第5問
方針
(1) は与式を P(E+tJ)=E−tJ と整理し、J2=−E を使って E+tJ の逆を求める。(2) は t=tan(θ/2) を代入し、半角公式 (1−t2)/(1+t2)=cosθ、2t/(1+t2)=sinθ により P を三角関数で表す。(3) は (2) の行列が角 θ の回転を表すことを、加法定理に対応する積の形で確認し、3回の合成が恒等変換になる角を求める。
解答
(1)
与えられた式 t(PJ+J)+P−E=O を整理すると P+tPJ=E−tJ である。すなわち P(E+tJ)=E−tJ である。
ここで
J2=(0−110)2=−E
であるから、(E+tJ)(E−tJ)=E−t2J2=(1+t2)E である。したがって (E+tJ)−1=1+t2E−tJ であり、P=(E−tJ)(E+tJ)−1=1+t2(E−tJ)2 となる。さらに (E−tJ)2=E−2tJ+t2J2=(1−t2)E−2tJ なので、P=1+t21−t2E−1+t22tJ である。行列で書けば
P=1+t21−t21+t22t−1+t22t1+t21−t2
である。
(2)
t=tan2θ とする。半角公式より 1+t21−t2=cosθ,1+t22t=sinθ である。したがって (1) の結果から P=cosθE−sinθJ であり、行列表示は
P=(cosθsinθ−sinθcosθ)
である。
(3)
(2) の形の行列を
R(θ)=(cosθsinθ−sinθcosθ)
と書く。加法定理を用いて行列の積を計算すると R(α)R(β)=R(α+β) である。したがって P3=R(θ)3=R(3θ) である。 P3=E となるには R(3θ)=E であればよい。これは cos3θ=1,sin3θ=0 すなわち 3θ=2mπ(m は整数) を意味する。条件 0<θ<π より 0<3θ<3π であるから、この範囲にある 2mπ は 2π だけである。よって 3θ=2π となり、θ=32π である。