九州大学 2005年度
後期・理系数学 後期 第3問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 数列、微分
- 解法
- 漸化式の変形、和の計算、不等式評価
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 15分
問題
関数f(x)=x2+2px+qを用いて,数列{an}を
a1=0,an+1=−rf′(an)+an(n=1,2,⋯⋯)
と定める.ただし,p,q,rは実数で,p=0かつ0<r<21とする.
(1) 数列{an}の一般項を求めよ.
(2) n=1∑∞∣an+1−an∣を求めよ.
(3) mをf(x)の最小値とする.任意のnについて∣f(an+1)−m∣<∣f(an)−m∣が成り立つことを示せ.
出典:九州大学 2005年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第3問
方針
漸化式に f′(x)=2x+2p を代入し、固定点 −p からのずれ an+p を見ると等比数列になる。0<r<1/2 より公比 1−2r は 0 と 1 の間なので、絶対値和も等比級数として処理できる。(3) は平方完成により f(x)−m=(x+p)2 と表し、an+p の絶対値が毎回 1−2r 倍されることから厳密な減少を示す。
解答
(1)
f′(x)=2x+2p である。したがって漸化式は an+1=−r(2an+2p)+an=(1−2r)an−2rp となる。ここで λ=1−2r とおくと、0<r<1/2 より 0<λ<1 である。また an+1+p=λan−2rp+p であり、λ=1−2r だから −2rp+p=(1−2r)p=λp である。よって an+1+p=λ(an+p) となる。 a1=0 より a1+p=p であるから、an+p=pλn−1 である。したがって an=p{(1−2r)n−1−1} である。
(2)
(1) の式から
an+1−an=p{λn−1}−p{λn−1−1}=pλn−1(λ−1)=−2rp(1−2r)n−1
である。0<1−2r<1 なので ∣an+1−an∣=2r∣p∣(1−2r)n−1 である。よって
n=1∑∞∣an+1−an∣=2r∣p∣n=1∑∞(1−2r)n−1=2r∣p∣⋅1−(1−2r)1=∣p∣.
(3)
平方完成すると f(x)=x2+2px+q=(x+p)2+q−p2 である。したがって最小値は m=q−p2 であり、f(x)−m=(x+p)2 である。特に f(x)−m≧0 なので、絶対値を付けても ∣f(x)−m∣=(x+p)2 である。
(1) より an+p=p(1−2r)n−1 であるから、∣f(an)−m∣=(an+p)2=p2(1−2r)2(n−1) である。p=0 かつ 0<1−2r<1 より、p2(1−2r)2n<p2(1−2r)2(n−1) である。したがって任意の n について ∣f(an+1)−m∣<∣f(an)−m∣ が成り立つ。
別解。(2) は数直線上の移動距離としても見られる。an+p=p(1−2r)n−1 であり、公比が正で 1 より小さいので、an は初項 0 から極限 −p へ向かって同じ向きに近づく。したがって移動距離の総和は、初項から極限までの距離に等しく ∣0−(−p)∣=∣p∣ である。