過去問データベース 過去問を探す

九州大学 2004年度
理系数学 第2問

問題

2次の正方行列に対して,次の問いに答えよ.ただし,は定数とする.

(1) を展開せよ.

(2) を用いて表せ.

(3) 自然数に対して,を求めよ.

(4) としとしたときの成分をとする.極限を求めよ.

出典:九州大学 2004年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第2問

方針

この形の行列を掛けると、対角成分が等しく、非対角成分も等しい形が保たれる。そこで成分を と見て、行和 と差 を調べると、それぞれ , になる。(2)はこの考えを4乗で確認し、(3)は帰納法で一般の に広げる。(4)では から , となり、 を使って極限を出す。

解答

(1)

二項展開により であり、 である。

(2)

と同じ形の行列どうしを掛けると、再び

の形になる。

とおく。

この行列の各行の和は である。一方、 の各行の和は なので、4回掛けると行和は となる。また、1行目の成分の差は であり、 ではその差が なので、同様に となる。

したがって である。よって

である。

(3)

自然数 に対して

であることを示す。 のとき、右辺は

となり成り立つ。

ある で成り立つとする。右辺の対角成分を 、非対角成分を とすれば である。これに を右から掛けた の対角成分を 、非対角成分を とすると である。よって かつ である。したがって

となり、 でも同じ形が成り立つ。以上より公式が示された。

(4)

であるから である。(3)より、 成分は である。 より であるから である。したがって である。

別解。 とおくと であり、 と書ける。二項定理を用いれば である。 が偶数なら 、奇数なら なので、単位行列の係数と の係数はそれぞれ となり、(3)と同じ公式を得る。