問題
n=0,1,2,⋯に対してIn=n!(−1)n∫02xnexdxとおく.ただし,0!=1とする.
(1) I0の値を求め,n=1,2,⋯のときInとIn−1の関係式を求めよ.また,これらを用いてI3の値を求めよ.
(2) 0≦x≦2に対してex≦e2であることを利用して,次の不等式を示せ.
n!1∫02xnexdx≦2e2(32)n−1(n=1,2,⋯)
(3) 極限n→∞limk=0∑nk!(−1)k2kを求めよ.
出典:九州大学 2004年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問
解答
(1)
I0=∫02exdx=e2−1 である。 n≧1 とする。部分積分により
∫02xnexdx=[xnex]02−n∫02xn−1exdx=2ne2−n∫02xn−1exdx
である。したがって
In=n!(−1)n(2ne2−n∫02xn−1exdx)=n!(−1)n2ne2+(n−1)!(−1)n−1∫02xn−1exdx=In−1+n!(−1)n2ne2.
よって In=In−1+n!(−1)n2ne2(n=1,2,…) である。
これを用いると I1=I0−2e2=−(e2+1), I2=I1+24e2=e2−1, I3=I2−68e2=−1−3e2 である。
(2)
0≦x≦2 では ex≦e2 だから、n≧1 に対して
n!1∫02xnexdx≦n!e2∫02xndx=n!e2⋅n+12n+1=(n+1)n!2n+1e2
である。
ここで (n+1)n!≧2⋅3n−1(n≧1) を示す。n=1 では両辺とも2で成り立つ。(n+1)n! から (n+2)(n+1)! への倍率は n+2 であり、n≧1 なら n+2≧3 である。したがって右辺の倍率3以上で増えるので、すべての n≧1 で上の不等式が成り立つ。
よって
(n+1)n!2n+1e2≦2⋅3n−12n+1e2=2e2(32)n−1
である。以上より n!1∫02xnexdx≦2e2(32)n−1 が示された。
(3)
(1)の漸化式を 1 から n まで足し合わせると In=I0+e2∑k=1nk!(−1)k2k である。I0=e2−1 だから In=e2∑k=0nk!(−1)k2k−1 となる。
一方、In の絶対値は ∣In∣=n!1∫02xnexdx である。(2)より 0≦∣In∣≦2e2(32)n−1 であり、右辺は n→∞ で0に近づく。したがって limn→∞In=0 である。
ゆえに 0=e2limn→∞∑k=0nk!(−1)k2k−1 となるので、求める極限は limn→∞∑k=0nk!(−1)k2k=e21=e−2 である。