九州大学 1991年度
後期・理系数学 後期 第2問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系(後期)
- 分野
- 三角関数、微分、方程式・不等式
- 解法
- 数学的帰納法、三角比の利用、必要十分条件
- 難易度
- 7 / 10 計算量 5 / 10 目安 30分
問題
fn(θ)=cosnθ (n=0,1,2,⋯⋯)とおく.
(1) fn+2(θ)+fn(θ)=2f1(θ)fn+1(θ)を示せ.
(2) fn(θ) (n≧1)はcosθのn次式であることを示せ.
(3) x=cosθとおくと,fn(θ)はxの関数とみなせる.これをFn(x)と表す.n≧3のとき,−1<x<1の範囲で,Fn′(x)=0はn−1個の相異なる解をもつことを示せ.
出典:九州大学 1991年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第2問
方針
(1) は余弦の和積公式から直接示す。(2) は (1) の漸化式 fn+2=2f1fn+1−fn を使い,fn が cosθ の多項式であることを帰納法で示す。次数が本当に n であることは,最高次の係数が消えないことを確認する。(3) は x=cosθ,0<θ<π と置き,Fn′(cosθ) を θ での微分の比として求める。sinnθ=0 から n−1 個の θ を得て,cosθ の単調性で相異なる x になることを示す。
解答
(1)
余弦の和積公式 cosA+cosB=2cos2A+Bcos2A−B を用いる。A=(n+2)θ,B=nθ とすると cos(n+2)θ+cosnθ=2cos(n+1)θcosθ である。したがって fn+2(θ)+fn(θ)=2f1(θ)fn+1(θ) が成り立つ。
(2)
f0(θ)=1,f1(θ)=cosθ であるから,f0,f1 はそれぞれ cosθ の 0 次式,1 次式である。
(1) より fn+2(θ)=2cosθfn+1(θ)−fn(θ) である。いま fn が cosθ の n 次式,fn+1 が cosθ の n+1 次式であると仮定する。このとき 2cosθfn+1 は n+2 次式であり,そこから n 次式 fn を引いても最高次の項は消えない。したがって fn+2 は cosθ の n+2 次式である。
よって帰納法により,n≧1 で fn(θ) は cosθ の n 次式である。
(3)
−1<x<1 に対して,ただ一つの θ が 0<θ<π,x=cosθ を満たす。Fn(x)=cosnθ であるから,x=cosθ において
Fn′(cosθ)=d(cosθ)/dθd(cosnθ)/dθ=−sinθ−nsinnθ=sinθnsinnθ
である。 0<θ<π では sinθ>0 なので,Fn′(x)=0 は sinnθ=0 と同値である。したがって nθ=jπ となり,範囲 0<θ<π から θ=njπ(j=1,2,…,n−1) を得る。
このとき xj=cosnjπ(j=1,2,…,n−1) である。cosθ は 0<θ<π で単調に減少するので,これらの xj はすべて相異なる。よって −1<x<1 の範囲で Fn′(x)=0 は n−1 個の相異なる解をもつ ことが示された。