問題
行列に対して,,とする.
(1) を満たすとき,がとりうる値をすべて求めよ.ただし,は単位行列である.
(2) を満たすとき,がとりうる値をすべて求めよ.
出典:九州大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問
方針
(1) は を成分で直接書き、 と に分ける。(2) は2次行列に成り立つ恒等式 を直接計算で使い、 と置いて の条件を整理する。 が の定数倍である場合とそうでない場合を分ける。
解答
(1)
とする。 を成分で書くと である。
もし なら、上の第2式と第3式から である。したがって となる。この場合、 なので である。
一方、 の場合も実際に起こる。例えば
は を満たし、 である。
よって がとりうる値は である。
(2)
2次行列について、直接計算すると が成り立つ。そこで とおくと である。さらに両辺に を掛けると となる。
条件 より である。
まず が の定数倍である場合を考える。 とすると なので である。よって となり、 が得られる。
次に、 が の定数倍でない場合を考える。このとき で、もし の係数が でなければ は の定数倍になってしまう。したがって である。 なら である。 なら なので である。
以上より候補は である。これらは実際にすべて起こる。例えば
はいずれも を満たし、和 は順に である。
したがって がとりうる値は である。