京都大学 2025年度
理系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系学部
- 分野
- 複素数平面、積分
- 解法
- 複素数の極形式、置換積分、計算整理
- 難易度
- 5 / 10 計算量 6 / 10 目安 18分
問題
次の各問に答えよ.
問1 iは虚数単位とする.複素数zが,絶対値が2である複素数全体を動くとき,z−ziの最大値と最小値を求めよ.
問2 次の定積分の値を求めよ.
(1) ∫03x2+1xx2+1+2x3+1dx
(2) ∫02π1+cosx1−cosxdx
出典:京都大学 2025年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問
方針
問1は z=2(cosθ+isinθ) と極形式でおき,z−zi2 を sin2θ の一次式まで落とす。絶対値そのものではなく2乗を最大・最小化すれば,平方根を取る段階で符号の心配がない。問2(1)は分子を3項に分け,x2+1xx2+1=x2+1x,x2+12x3=2x−x2+12x と整理して基本積分に帰着する。(2)は 0≦x≦2π で半角の正負が決まることを確認して tan2x に直す。半角公式を使わず,分子分母を有理化して 1+cosxsinx と見る別解も自然である。
解答
問1
z=2(cosθ+isinθ) とおく。このとき
zi=2i(cosθ−isinθ)=21sinθ+2icosθ
であるから,
z−zi=(2cosθ−21sinθ)+i(2sinθ−21cosθ)
である。したがって
z−zi2=(2cosθ−21sinθ)2+(2sinθ−21cosθ)2=4(cos2θ+sin2θ)+41(sin2θ+cos2θ)−4sinθcosθ=417−2sin2θ.
−1≦sin2θ≦1 であり,両端の値は実際にとれるので,49≦z−zi2≦425 となる。よって最小値は 23,最大値は 25 である。
問2
(1) まず被積分関数を3つに分けると,
x2+1xx2+1+2x3+1=x2+1x+2x−x2+12x+x2+11
である。ゆえに
∫03x2+1xx2+1+2x3+1dx=∫03x2+1xdx+∫03(2x−x2+12x)dx+∫03x2+1dx=[x2+1]03+[x2−log(x2+1)]03+[arctanx]03=(2−1)+(3−log4)+3π.
したがって求める値は 4−log4+3π である。
(2)
0≦x≦2π では sin2x≧0,cos2x>0 である。半角公式より
1+cosx1−cosx=2cos22x2sin22x=tan2x
である。よって
∫02π1+cosx1−cosxdx=∫02πtan2xdx=[−2log(cos2x)]02π=−2log22=log2.
別解。問2(2)は有理化してもよい。0≦x≦2π では sinx≧0 だから
1+cosx1−cosx=sin2x(1−cosx)2=sinx1−cosx=1+cosxsinx
である。したがって
∫02π1+cosxsinxdx=[−log(1+cosx)]02π=log2
となり,同じ値を得る。