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京都大学 2016年度
文系数学 第5問

問題

実数を係数とする3次式に対し,次の条件を考える.

(イ) 方程式の解であるすべての複素数に対し,もまたの解である.

(ロ) 方程式は虚数解を少なくとも1つもつ.

この2つの条件(イ),(ロ)を同時に満たす3次式をすべて求めよ.

出典:京都大学 2016年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第5問

方針

実係数3次式で虚数解をもつので,根はと書ける。ただしは実数,は非実数である。条件(イ)は根全体の集合が3乗写像で閉じていることを意味する。実根についてはから。非実根についてはのいずれかになるので,を分類する。既存解答で落ちやすいの場合からも出る。

解答

条件(ロ)より,方程式は非実数の解をもつ。係数が実数なので,非実数解があれば,その共役複素数も解である。3次式であるから,残りの解を実数として,根の集合は と書ける。

条件(イ)は,この根の集合が3乗をとる操作で閉じていることを表す。まず実数根について考える。は実数であり,根の集合に含まれるので,非実数のにはなれない。したがって である。よって である。

次に非実数解を考える。のいずれかである。 の場合,であり,またはである。なら,は1の非実数の3乗根であるから,根全体はの3根である。したがって を得る。なら,の非実数の3乗根であるから,根全体はの3根である。したがって を得る。 の場合,であるから,となってしまい,非実数であることに反する。よってこの場合はない。 の場合を考える。なので,両辺をで割ると である。非実数の4乗根は である。したがって非実数解の組はであり,実数根は先に求めたのいずれかである。よって であり, を得る。

以上の候補はいずれも実係数で,非実数解をもち,さらに各根を3乗しても同じ根集合の中に入る。したがって求める3次式は

である。