京都大学 2007年度
理系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)、確率
- 解法
- 計算整理、数え上げ
- 難易度
- 4 / 10 計算量 4 / 10 目安 15分
問題
次の各問にそれぞれ答えよ.
(1) A=(2−14−1),E=(1001)とするとき,A6+2A4+2A3+2A2+2A+3Eを求めよ.
(2) 得点1,2,⋯,nが等しい確率で得られるゲームを独立に3回くり返す.このとき,2回目の得点が1回目の得点以上であり,さらに3回目の得点が2回目の得点以上となる確率を求めよ.
出典:京都大学 2007年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問
方針
(1)は文系第1問と同じく,A2=A−2E を作って高次の A を A と E の一次式に下げる。(2)は3回の得点を x1,x2,x3 とし,条件を 1≦x1≦x2≦x3≦n と読む。これは 1,2,…,n から重複を許して3個選ぶ場合の数に等しい。あるいは y1=x1,y2=x2+1,y3=x3+2 として,1≦y1<y2<y3≦n+2 の選び方に直して数える。全事象 n3 で割る。
解答
(1)
まず
A2=(2−14−1)(2−14−1)=(0−14−3)=A−2E
である。したがって
A3A4A5A6=A2−2A=−A−2E,=−A2−2A=−3A+2E,=−3A2+2A=−A+6E,=−A2+6A=5A+2E
である。よって
A6+2A4+2A3+2A2+2A+3E=(5A+2E)+2(−3A+2E)+2(−A−2E)+2(A−2E)+2A+3E=A+E
となる。したがって求める行列は
(3−140)
である。
(2)
1回目,2回目,3回目の得点をそれぞれ x1,x2,x3 とする。求める条件は 1≦x1≦x2≦x3≦n である。
このような組は,1,2,…,n から重複を許して3個を選び,小さい順に並べたものと一対一に対応する。したがって個数は n+3−1C3=n+2C3=6n(n+1)(n+2) である。
確認のため,y1=x1, y2=x2+1, y3=x3+2 とおくと 1≦y1<y2<y3≦n+2 となり,この選び方が n+2C3 通りであることからも同じ数え上げになる。
全事象は,3回それぞれ n 通りで n3 通りである。各組は等確率なので,求める確率は
n3n+2C3=6n3n(n+1)(n+2)=6n2(n+1)(n+2)
である。