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京都大学 2000年度
理系数学 第4問

問題

を素数,を互いに素な正の整数とするとき,は実数ではないことを示せ.ただしは虚数単位を表す.

出典:京都大学 2000年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第4問

方針

実数であることは虚部が0であることなので、二項展開の虚部だけを見る。 は直接計算で処理する。 が奇素数のとき、虚部を0と仮定し、まず合同式で見ると最後の項 から が従う。そこで と書き、 で割れる回数を比較する。第1項 はちょうど までしか割れない一方、他の項はすべて で割れるため、虚部の和が0になることはない。

解答

まず の場合を調べる。このとき である。 は正の整数なので であり、虚部は0でない。したがって は実数ではない。

以下、 を奇素数とする。背理法で、 が実数であると仮定する。

二項定理より、 の虚部は

である。仮定よりこの値は0である。

ここで、 に対して で割り切れる。実際 であり、 は素数、 なので分母は で割り切れない。したがって分子に含まれる1つの が残る。

虚部が0である等式を で割った余りで見る。最後の項以外の二項係数はすべて で割り切れるから である。よって である。

そこで、 を割る の個数を とし、 と書く。ただし で、 で割り切れない。 は互いに素だから、 で割り切れない。

虚部の第1項は である。 で割り切れないので、この項は では割り切れるが、 では割り切れない。

次に、第3項以降で、最後の を除く項を考える。それらは の形である。 で割り切れ、 で割り切れる。 だから である。したがってこれらの項はすべて で割り切れる。

最後の項 で割り切れる。 より であるから、これも で割り切れる。

以上より、虚部の和は「 では割り切れない第1項」と「すべて で割り切れる残りの項」の和である。したがって虚部全体は で割り切れず、特に0にはなり得ない。これは が実数であるという仮定に反する。

よって、任意の素数 と互いに素な正の整数 について、 は実数ではない。