問題
平面上の1次変換に対し,かつとなるベクトルが存在するならば,は恒等変換であることを示せ.ただしである.
出典:京都大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第3問
方針
まず であることを確認する。もし と が一直線上にあれば と書け, から となる。実数では なので仮定 に反する。したがって と は平面の基底であり, がこの2本を固定することを示せば恒等変換と分かる。
解答
は平面上の1次変換であるから である。仮定に があるので, である。
まず と が一次従属であると仮定する。すると,ある実数 によって と書ける。このとき であり,さらに である。ところが仮定より で, だから である。 は実数なので であり,これは を意味して仮定に反する。
したがって と は一次独立である。平面上ではこの2本が基底になる。
次に の作用を調べる。仮定より である。また1次変換の合成は順序を保って計算できるので である。つまり は基底 , をどちらも動かさない。
任意の平面上のベクトル は,ある実数 により と表せる。よって
である。したがって は恒等変換である。