京都大学 1981年度
理系数学 第6問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、方程式・不等式
- 解法
- 定積分評価、置換積分、不等式評価
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 19分
問題
次の不等式を証明せよ.ただし,eは自然対数の底である.
(1) 0<a≦xのとき∫axe−2t2dt≦a1e−2a2−x1e−2x2
(2) 3<bのとき∫3be−2t2+2t<e23
出典:京都大学 1981年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第6問
方針
(1) は右辺の形から −t1e−t2/2 を微分して比較する。導関数が (1+1/t2)e−t2/2 となり、被積分関数以上であることを積分する。(2) は指数を平方完成し、u=t−2 と置いて (1) の a=1, x=b−2 の場合へ帰着する。
解答
(1)
t>0 に対して F(t)=−t1e−2t2 とおく。積の微分により
F′(t)=t21e−2t2+e−2t2=(1+t21)e−2t2
である。したがって F′(t)≧e−2t2 が t>0 で成り立つ。 0<a≦x だから、両辺を a から x まで積分して ∫axe−2t2dt≦∫axF′(t)dt=F(x)−F(a) を得る。右辺を戻すと F(x)−F(a)=−x1e−2x2+a1e−2a2 である。よって
∫axe−2t2dt≦a1e−2a2−x1e−2x2
が示された。
(2)
指数を平方完成すると −2t2+2t=−2(t−2)2+2 である。u=t−2 とおくと、b>3 より b−2>1 であり、
∫3be−2t2+2tdt=e2∫1b−2e−2u2du
となる。(1) を a=1, x=b−2 に適用すると
∫1b−2e−2u2du≦e−21−b−21e−2(b−2)2
である。ここで第2項は正なので、e−21−b−21e−2(b−2)2<e−21 である。したがって ∫3be−2t2+2tdt<e2e−21=e23 となる。
別解。
(1) の証明は、求める右辺を先に [−t1e−2t2]ax と見て、その中身の微分が被積分関数より大きいことを確認する流れである。つまり、右辺は単なる当てずっぽうではなく、e−t2/2 を積分しやすい形で上から押さえる補助関数から作られている。(2) はこの補助関数評価を、平方完成で中心を 2 だけずらして使ったものと理解できる。