熊本大学 2026年度
理系数学 第4問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 医学部(医学科)
- 分野
- 指数・対数、微分、数列、場合の数
- 解法
- 微分による最大最小、不等式評価、数え上げ、範囲評価、定積分評価
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 25分
問題
以下の問いに答えよ。ただし,自然対数の底 e が 2.7<e<2.8 を満たすことを用いてよい。
(問1) 関数 y=xlogx の極値を求めよ。
(問2) n を 3 以上の自然数とする。次の条件
anb>bna>nabかつa<b<n
を満たす自然数の組 (a,b) の個数 sn を求めよ。ただし,自然数の組 (a,b) が存在しないとき,sn=0 とする。
(問3) (問2) で求めた sn に対して,limn→∞n51∑k=5nk2(sk+25k−1) を求めよ。
出典:熊本大学 2026年度 前期 理系 第4問
方針
まず h(x)=logx/x の増減を微分で調べる。条件 anb>bna>nab は対数を取り正の数で割ることで h(a)>h(b)>h(n) に変形する。h は x>e で減少するので,3≦a<b<n はすべて数え,a=2 の場合だけ b=3,4 を除外する。最後は得られた sk を代入し,k4 の和の極限を区分求積で評価する。
解答
(問1)
y=xlogx
とおくと
y′=x21−logx
である。したがって 0<x<e で y′>0,x>e で y′<0 である。よって x=e で極大となり,その極大値は
eloge=e1
である。極小値はない。
(問2)
h(x)=xlogx
とおく。(問1)より,h(x) は x>e で減少する。
条件
anb>bna>nab
の各辺の自然対数をとり,正の数 abn で割ると
aloga>blogb>nlogn
すなわち
h(a)>h(b)>h(n)
である。a=1 では h(a)=0<h(n) となるから不適である。
2.7<e<2.8<3 であるから,3≦a<b<n なら h(a)>h(b)>h(n) が成り立つ。したがって,この場合の個数は
2(n−3)(n−4)
である。
次に a=2 の場合を考える。h(3)>h(2) は log9>log8 から成り立ち,h(4)=h(2) であるから,b=3,4 は不適である。一方,b≧5 なら h(b)≦h(5)<h(2) である。実際,h(5)<h(2) は log25<log32 から従う。よって a=2 で可能なのは 5≦b<n のときであり,その個数は n−5 個である。ただし n=5 のときは 0 個である。
以上より,n=3,4 では条件を満たす組はなく,sn=0 である。n≧5 では
sn=2(n−3)(n−4)+(n−5)=2n2−5n+2
である。
(問3)
k≧5 では (問2) より
sk+25k−1=2k2−5k+2+25k−1=2k2
である。したがって
n51k=5∑nk2(sk+25k−1)=2n51k=5∑nk4
である。区分求積法より
n→∞limn51k=1∑nk4=∫01x4dx=51
であり,k=1 から 4 までを除いても極限は変わらない。よって求める極限は
21⋅51=101
である。