北海道大学 2025年度
理系数学 前期 第3問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 指数・対数、積分、三角関数
- 解法
- 部分積分、定積分評価、極限計算
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 15分
問題
実数aおよび自然数nに対して,定積分
I(a,n)=∫02πeaxsin(nx)dx
を考える。ここでeは自然対数の底である。
(1) I(a,n)を求めよ。
(2) an=2πlogn(n=1,2,3,⋯⋯)のとき,極限n→∞limI(an,n)を求めよ。ただし,lognはnの自然対数である。また,必要ならばn→∞limnlogn=0であることを用いてもよい。
出典:北海道大学 2025年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第3問
方針
指数関数と三角関数の積の積分は,eax(Asinnx+Bcosnx) の形を微分して係数を合わせるか,部分積分を2回行って求める。評価点 0,2π では sin(2πn)=0,cos(2πn)=1 を使う。(2) は an=(logn)/(2π) により e2πan=n となるので,(1) の式に代入し,分子分母を n2 で割って (logn)/n→0 を使う。
解答
(1)
不定積分を求める。次の式を微分すると
dxd{a2+n2eax{asin(nx)−ncos(nx)}}=eaxsin(nx)
である。実際,分子を微分すると aeax{asin(nx)−ncos(nx)}+eax{ancos(nx)+n2sin(nx)} となり,cos(nx) の項が打ち消され,(a2+n2)eaxsin(nx) が残る。したがって ∫eaxsin(nx)dx=a2+n2eax{asin(nx)−ncos(nx)} である。
これを 0 から 2π まで代入する。n は自然数なので sin(2πn)=0,cos(2πn)=1,sin0=0,cos0=1 である。よって
I(a,n)=[a2+n2eax{asin(nx)−ncos(nx)}]02π=a2+n2−ne2πa−a2+n2−n=a2+n2n(1−e2πa)
である。a=0 の場合もこの式は 0 を与え,直接の積分結果と一致する。
(2)
an=2πlogn であるから e2πan=elogn=n である。(1) の結果より I(an,n)=an2+n2n(1−n) である。分子分母を n2 で割ると I(an,n)=1+(nan)2n1−1 である。ここで nan=2πnlogn→0 であるから limn→∞I(an,n)=1+00−1=−1 である。