北海道大学 2020年度
理系数学 前期 第5問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 微分、積分、関数
- 解法
- 置換積分、定積分評価、極限計算
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 14分
問題
aを正の定数とする。微分可能な関数f(x)はすべての実数xに対して次の条件を満たしているとする。
0<f(x)<1,∫0x{1−f(t)}f(t)f′(t)dt=ax
さらに,f(0)=31であるとする。
(1) f(x)を求めよ。
(2) 曲線y=f(x)とx軸および2直線x=0,x=1で囲まれる図形の面積S(a)を求めよ。さらに,a→+0limS(a)を求めよ。
出典:北海道大学 2020年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第5問
方針
被積分関数はlog1−f(t)f(t)の導関数なので、積分方程式を対数の差に直す。初期値f(0)=1/3から定数を決め、1−f(x)f(x)=21eaxを解いてf(x)を得る。(2)はS(a)=∫01f(x)dxを指数置換で計算し、a→+0の極限はlog(ea+2)のa=0における微分係数として評価する。
解答
(1)
0<f(x)<1 なので、log1−f(x)f(x) を考えることができる。微分すると
dxdlog1−f(x)f(x)=f(x)f′(x)+1−f(x)f′(x)={1−f(x)}f(x)f′(x)
である。
したがって与えられた等式は log1−f(x)f(x)−log1−f(0)f(0)=ax と同値である。ここで f(0)=31 より 1−f(0)f(0)=2/31/3=21 である。よって log1−f(x)f(x)−log21=ax であり、指数を取って 1−f(x)f(x)=21eax を得る。
これを f(x) について解くと 2f(x)=eax{1−f(x)} だから (eax+2)f(x)=eax である。したがって f(x)=eax+2eax である。
(2)
求める面積は S(a)=∫01f(x)dx=∫01eax+2eaxdx である。ここで dxdlog(eax+2)=eax+2aeax だから ∫eax+2eaxdx=a1log(eax+2) である。よって
S(a)=a1[log(eax+2)]01=a1log3ea+2
である。
次に極限を求める。 S(a)=alog(ea+2)−log3 であるから、これは関数 G(a)=log(ea+2) の a=0 における微分係数である。実際 G′(a)=ea+2ea なので lima→+0S(a)=G′(0)=31 である。