北海道大学 2012年度
理系数学 前期 第3問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、三角関数
- 解法
- 不等式評価、定積分評価、はさみうち
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 —
問題
次の問に答えよ。
(1) x≧0のとき,x−6x3≦sinx≦xを示せ。
(2) x≧0のとき,3x3−30x5≦∫0xtsintdt≦3x3を示せ。
(3) 極限値x→0limx3sinx−xcosxを求めよ。
出典:北海道大学 2012年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第3問
方針
(1)は x−sinx と sinx−x+x3/6 を補助関数にして、微分の符号から上下評価を作る。(2)は(1)の不等式に t≧0 を掛けて 0 から x まで積分する。(3)は分子 sinx−xcosx が ∫0xtsintdt に等しいことを部分積分で示し、(2)の評価ではさむ。最後に式が偶関数になるため両側極限も同じであることを確認する。
解答
(1)
まず h(x)=x−sinx とおく。x≧0 で h′(x)=1−cosx≧0 であり、h(0)=0 だから sinx≦x である。
次に ϕ(x)=sinx−x+6x3 とおく。すると ϕ′(x)=cosx−1+2x2,ϕ′′(x)=−sinx+x=x−sinx である。すでに示した sinx≦x より、x≧0 で ϕ′′(x)≧0 である。さらに ϕ′(0)=0,ϕ(0)=0 だから、ϕ′(x)≧0、さらに ϕ(x)≧0 が従う。よって sinx−x+6x3≧0 すなわち x−6x3≦sinx≦x である。
(2)
0≦t≦x では t≧0 なので、(1)の不等式に t を掛けて t2−6t4≦tsint≦t2 を得る。これを 0 から x まで積分すると
∫0x(t2−6t4)dt≦∫0xtsintdt≦∫0xt2dt
である。したがって
3x3−30x5≦∫0xtsintdt≦3x3
である。
(3)
部分積分を用いると
∫0xtsintdt=[−tcost]0x+∫0xcostdt=−xcosx+sinx
である。よって sinx−xcosx=∫0xtsintdt である。 x>0 について(2)を x3 で割ると 31−30x2≦x3sinx−xcosx≦31 である。はさみうちより limx→+0x3sinx−xcosx=31 である。
さらに sinx−xcosx は奇関数であり、x3 も奇関数なので、商 x3sinx−xcosx は偶関数である。したがって左側極限も同じ値になり、x→0limx3sinx−xcosx=31 である。