問題
ある人がサイコロを振る試行によって,部屋,を移動する.サイコロの目の数が1,3のときに限り部屋を移る.また各試行の結果,部屋に居る場合はその人の持ち点に1点を加え,部屋に居る場合は1点を減らす.持ち点は負になることもあるとする.第試行の結果,部屋,に居る確率をそれぞれ,と表す.最初にその人は部屋に居るものとし(つまり,,とする),持ち点は1とする.
(1) ,,および,,を求めよ.また,第3試行の結果,その人が得る持ち点の期待値を求めよ.
(2) ,を,を用いて表せ.
(3) ,をを用いて表せ.
(4) 第試行の結果,その人が得る持ち点の期待値を求めよ.
方針
文系第4問と同じ2状態の移動で、移動確率は 、滞在確率は である。確率の漸化式は と に分けると一般項がすぐ出る。期待値は、初期持ち点 に、各試行後の得点増分の期待値 を足す。(4) はその等比級数を まで和にする。
解答
(1)
サイコロの目が のときだけ部屋を移るから、1回の試行で部屋を移る確率は であり、移らない確率は である。初めは部屋 にいるので、 である。
2回目については
であり、 である。さらに であり、 である。
第 試行後の得点増分は、部屋 にいれば 、部屋 にいれば である。したがって、その期待値は である。初期持ち点は なので、
(2)
第 試行後に部屋 にいるのは、第 試行後に にいて移らない場合と、第 試行後に にいて移る場合である。したがって である。同様に である。
(3)
(2) の2式を引くと である。 だから である。また なので、
である。
(4)
第 試行後の得点増分の期待値は である。初期持ち点は なので、
別解。移動した回数の偶奇で部屋が決まると見てもよい。第 試行後に にいるのは移動回数が偶数のとき、 にいるのは奇数のときである。1回ごとに「偶奇への寄与」を考えると、移らない確率 では符号が変わらず、移る確率 では符号が変わるので、差 は となる。これを使えば (3),(4) が同じように求まる。