北海道大学 2004年度
理系数学 前期 第3問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 指数・対数、微分、積分
- 解法
- 微分による最大最小、不等式評価、定積分評価
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 25分
問題
aを1以上の実数,bを正の実数とする.
(1) 0以上のすべての実数xについて,不等式ex−a(x+2b)≧0が成り立つための,a,bの満たすべき条件を求めよ.ただし,eは自然対数の底とする.
(2) a,bが(1)で求めた範囲を動くとき,定積分aeb1∫01x+2b1dxの値を最小にするa,bと,その最小値を求めよ.
出典:北海道大学 2004年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第3問
方針
(1) は ex≧a(x+2b) を a≦ex/(x+2b) と見て、右辺の x≧0 における最小値を調べる。b<1/2、b=1/2、b>1/2 で最小点が変わり、さらに a≧1 との両立条件を確認する。(2) は積分値を a,b で明示し、固定した b では a が最大のときに最小になることを使う。残った b の関数は微分し、log(1+u)<u 型の基本不等式で単調減少を示して、端点 b=1/2 を選ぶ。
解答
(1)
求める条件は、すべての x≧0 について ex−a(x+2b)≧0 が成り立つことである。b>0 なので x+2b>0 であり、これは a≦x+2bex(x≧0) と同値である。そこで ϕ(x)=x+2bex とおく。微分すると ϕ′(x)=(x+2b)2ex(x+2b)−ex=(x+2b)2ex(x+2b−1) である。 0<b<1/2 のとき、x=1−2b は正であり、ϕ(x) は 0≦x<1−2b で減少し、x>1−2b で増加する。したがって最小値は ϕ(1−2b)=1e1−2b=e1−2b である。この場合の条件は 1≦a≦e1−2b である。 b=1/2 のとき、ϕ′(x)≧0 で、最小値は x=0 における ϕ(0)=1 である。したがって a≧1 と合わせて a=1 である。 b>1/2 のとき、x+2b−1>0 が x≧0 で成り立つので、ϕ(x) は x≧0 で増加する。最小値は ϕ(0)=2b1<1 である。しかし a≧1 なので、a≦1/(2b) とは両立しない。
以上より、求める条件は 0<b≦21,1≦a≦e1−2b である。
(2)
まず積分を計算する。
∫01x+2b1dx=[log(x+2b)]01=log2b1+2b
である。したがって考える値は aeb1log2b1+2b である。
固定した b に対して、log2b1+2b>0 であり、値は a が大きいほど小さくなる。(1) より a の最大値は a=e1−2b である。したがって、最小化すべき1変数関数は H(b)=eb−1log2b1+2b(0<b≦21) である。
微分すると H′(b)=eb−1{log2b1+2b−b(1+2b)1} である。ここで log2b1+2b=log(1+2b1)<2b1 である。また 0<b≦1/2 より 2b1≦b(1+2b)1 である。したがって log2b1+2b<b(1+2b)1 となり、H′(b)<0 である。
よって H(b) は 0<b≦1/2 で減少する。したがって最小となるのは b=21 のときである。このとき a=e1−2b=1 であり、最小値は 1⋅e1/21log12=elog2 である。
別解。(2) の最後の単調性は、H′(b)<0 を示す代わりに、b が大きいほど eb−1 は増える一方で log2b1+2b は減るため、単純な大小比較だけでは不十分である。したがって、試験答案では上のように微分して log(1+u)<u を使うのが最も安全である。